2003.07.28
北海道の冬はむしろ暑い
テレビをつけたら、家族の悩み紹介みたいな番組をやっていた。金沢に住んでいた家族が自然にあこがれて、北海道の浜頓別町に引越ししてきた。しかし予想外の天候不順で家庭菜園もうまくいかず、貯金も減ってきて、はたしてこの調子で北海道の寒い冬を乗り切れるのか心配になってきた。

そこで、一年じゅう冬の寒さを体験できる施設に出かけて、マイナス20度の世界を体験してみた。そのあまりの寒さに、北海道で暮らしていく自信を失っていく、みたいな内容だった。

私は北海道で生まれ、高校まで北海道にいたからわかるのだが、「北海道は寒い」というのは、北海道を知らない人のイメージでしかない。ほんとうは、北海道の冬はむしろ暑いのだ。

もちろん、外は寒い。マイナス20度なんてザラだ。しかし、だからこそ、北海道の建物は熱を逃がさないようしっかり作ってある。窓も2重3重になっていて、そして暖房がしっかり効いている。

冬の北海道では、家の中も、店などに行っても、どこに行っても暖房が効いているので、むしろ暑い。冬でも室内ではTシャツみたいな格好で過ごしている人はけっこういて、外へ出るときだけ防寒具を着る。

一日じゅう外につっ立っていれば別だが、ふだん室内で身体が暖まっているので、ちょっとくらい外へ出てもあまり寒くないのだ。

私はむしろ東京に来てから、冬が寒いので困った。建物のカベが薄いのか、ガンガン冷気が入ってきて、暖房をつけてもさっぱり暖かくならない。室内でも身体が冷えているので、外へ出るとなおさら寒い。東京に来て10数年になるが、いまでも毎年そうだ。

私は「こたつ」というものも、東京に来て初めて見た。北海道では、こたつのある家というのはあまりなかった気がする。部屋全体が暖かいので、必要ないのだ。