2003.11.03
ニュースが流れをつくる
夕方ちょっとテレビをつけると、ニュース的なワイドショー(?)をやっていて、渋谷では未成年による飲酒が多い、というのをやっていた。

急性アルコール中毒で死んだり、運ばれたりする若者が多く、傷害事件なども後を絶たないという。救出するために救急車や消防車がかけつけるが、その救助隊もからまれたりする。そんな映像を流していた。

これは事実だろうし、憂慮すべき問題だが、その報道の仕方が気になった。このような若者はエイリアンであり、まるでオウム報道みたいに、「向こう側の人間」だという演出が感じられた。

若者をエイリアン扱いして、眉をしかめたところで、何も変わらないだろうし、むしろ逆効果かもしれない。

そんな若者を生み出したのはいまの大人であり、若者はいつも大人を見て育っている。泥酔して、電車でケンカを始める大人だってよく見かける。

最初はみんな何も知らない赤ん坊だった。周囲の環境が人間を形成していく。

マスメディアの皆さんに対して、私から2つ提案したい。

1 いいニュースを増やす。
2 悪いニュースは必要最低限にしておく。

若者についていえば、「いまどきの若者は」というものばかり報道され、ではどういうふうにすればいいのかが報道されない。大人も顔負けの優れた若者もたくさんいるはずだ。

若者を憂う大人は、ではどんな立派なヴィジョンを持っているのだろう。若者の手本になるような人生を送っているだろうか。

若者も、大人も、「手本」を喪失しているのが現状ではないだろうか。とくにやりたいこともないから、日々をテキトーに過ごしているのだ。

もっといいニュースを増やし、悪いニュースは必要最低限にとどめる。若者をエイリアン扱いして、悪いイメージをかぶせるような映像ばかり流していると、ますます状況は悪化するだろう。

もっと「ほめる」ようなニュースが増えれば、自然にいい流れができていくはずだ。
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