2004.01.01
祈りから行動へ
何年か前の「ゆく年くる年」で、東海大学柔道部の練習風景を流していた。私はいまでも、それが忘れられない。

東海大学柔道部はそのとき、金メダリストの山下をコーチとして、除夜の鐘を聞きながら年越し練習をしていた。彼らは正月も、おそらくいつもと同じように、ひたすら柔道をしていたのだ。

「ゆく年くる年」というのは、全国各地で鐘をついたり、手をあわせて「今年がいい年でありますように」とみんなが祈っているところを写す番組だ。景気がよくなりますように、災難にあいませんように、と祈っている。

そのなかにあって、正月もひたすら柔道をやっていた東海大学柔道部の姿は、ある種異様にも見えた。だからこそ、私は「これだ」と思った。

この世の中、祈るしかないこともある。しかし、祈っても何も変わらないのだ。

東海大学柔道部は、柔道が好きでたまらない。そしてそれが、いちばんの強みなのだ。好きでたまらないから行動するし、それが結果につながる。

ただ祈ったり、何かが起こるのを期待していても、何も起こらない。祈りは適当に切り上げて、どんどん行動しよう。
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