2005.08.22
PICSYの鈴木健がはてなの近藤淳也を「平成の松下幸之助」と評している
はてなの近藤淳也を招いたGLOCOM ISED設計研第5回(8/20)の司会をつとめた、PICSYの主宰者・鈴木健が、近藤淳也は「平成の松下幸之助」だと評している、

PICSY blog : 平成の松下幸之助 近藤淳也
http://blog.picsy.org/archives/000295.html

<今回の研究会の事前うちあわせで議論したはてなの大量の試みのうち、「はてなアイデア」と「会議のpodcasting」がもっとも注目すべき試みであることは、星空に月を見つけるのと同様に簡単なことでした。
 近藤淳也のつくったサービスのうち、ぼくが高く評価しているのは、今回の議論の中で注目をあびた「はてなアイデア」のみです。予測市場自体はすでにある仕組みですが、彼の行った独創的な新結合は、それを企業とユーザとのコミュニケーション・プロセスに組み込んだところです>。

<予測市場の方法を、地方自治体の運営に生かすことなどが研究会では議論されましたが、この話はISEDの枠を超えて、2日目のシンポジウムの参加者たる大教授や国会議員の方々にまで影響を与えはじめています。
 経営の神と呼ばれた松下幸之助は、「水道哲学」など、経営の世界に数々の革新をもたらしました。彼のやったのは、個人が倫理的に経済活動を行うことがひいては企業の繁栄をもたらすということを訴え続け、それを苦心の末、実証し続けたことです。
 近藤さんのやり方は多少違うようですが、新しい経営のパラダイムを作り上げていき、きっと他の経営者のリファレンスとなることでしょう。>

これはじつに面白い話。

私も、はてなという会社の重要性は疑いないと考えている。トヨタやホンダ、ナショナル、ソニーのような、技術立国・日本を作り上げたワールドクラス・カンパニーになるのではないかと思っている。

特に、梅田さんがはてなに参画すると聞いたとき、私はそのことを確信した。

私のはてな評は、「アジャイル・カンパニー」ということに尽きる。

ビジネスモデルとか、いまどういうサービスをやっているかどうかよりも、時代に合った、あるいは時代に先んじたサービスを、技術を使ってすぐにカタチにできるというところが強みだろう。そして、それを楽しみながらやっているのがいい。

最近、梅田さんが「ロールモデル」について書いていたが、はてなはまさに、若い世代にとって「会社」というもののイメージを塗り替えるロールモデル、お手本になりつつあるのではないだろうか。

このエントリで、鈴木健は最後に

<彼は職人的な美学をもっていて、造ることを通して思考し、意図の言語化を嫌うところもあります。そうした中で、これだけ充実した議事録を、彼が真の力を発揮する前に公開できることは、編集者冥利につきます。>

と書いている。たしかに、はてながワールドクラス・カンパニーになってしまう前に、はてなや近藤淳也について「いまのうちに」記録を残しておくことは重要だ。議事録の公開を楽しみに待ちたい。

ITmediaで、はてながこのところ異例とも言える大きな扱いを受け、特集まで組まれているのも、そのあたりを見越してのものかもしれない。

ITmedia 特集:変な会社で働く変な人

(1) 社長夫人が見てきた「はてな」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0508/17/news020.html
(2) 「ココログ」開発者、はてなへ
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0508/18/news023.html
(3) 2ch発「Mona OS」作者がはてなに来た理由
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0508/19/news029.html