MadlibとAzymuthのドラマーが組んだ未来的ブラジリアン・サウンド、Jackson Conti 『Sujinho』
Yesterdays New QuintetやQuasimoto名義の活動で知られるヒップホップのプロデューサー・トラックメイカー、Madlib(マッドリブ)と、伝説的なブラジルのジャズファンク・バンドAzymuth(アジムス)のドラマー、Ivan Conti "Mamão"(イヴァン・コンチ)が組んだプロジェクト「Jackson Conti」の1作目。
昨年出たYesterdays New Quintet名義の『Yesterday's universe』に、このJackson Contiの「Barumba」「Upa Neguinho」が先行収録されていて、強烈な印象を残していた。そのプロジェクトの全貌がこれだ。
MySpace - Jackson Conti
http://www.myspace.com/Jacksonconti
このMySpaceのサイトで、「Nao Tem Nada Nao」「Barumba」「Upa Neguinho」「Sunset at Sujinho」の4曲が試聴できる。まず、「Barumba」を聴いてみてほしい。
私は『Yesterday's universe』に入っていたこの「Barumba」を聴いてノックアウトされ、Jackson Contiのアルバムを待ち望んでいた。ついにあらわれたその作品は、予想をはるかに超えた傑作だった。
基本的にはMadlibっぽくて、まさにYesterdays New Quintetがブラジル化したような音なのだが、さすがIvan Contiのドラミングが絶妙にクールかつファンキーで、しかも「やさしい」という独特の感触だ。それがMadlibのトンガリ感と中和されていて、かなり幅広い人に聴ける音になっていると思う。
この作品の収録曲は、「Barumba」(Tamba Trio)、「Papaya」(Azymuth)、「Xibaba」(Airto Moreira)、「Brasilian Sugar」(George Duke)、「Berimbau」(Bud Powell)、「Casa Forte」(Elis Regina)など、多くはブラジル系のカバー曲らしい。私は大半が知らない曲だったので、これを起点にブラジル音楽をいろいろ聴いてみたくなった。特に、Ivan Contiのドラミングには完全に魅了されてしまったので、Azymuthにはハマりそうだ。
Mochilla
http://www.mochilla.com/
この作品を出しているのは「Mochilla」というレーベルで、B+ことBrian CrossとEric Colemanという2人のアーティスト・写真家が1997年に始めたらしい。たしかにこの作品のジャケットやアートワークは素晴らしく、そのトータルな完成度と音の感触は、個人的には初期トミー・ゲレロを連想させるものがあった。
<Madlib loves Brasilian music.>に始まる、B+によるテキストも良くて、Jackson Contiのサイトに全文が掲載されている。
日本盤を出しているのは世田谷にあるBBQというレーベルのようで、以下のような作品の紹介文がついている。
<YNQのコズミックでフューチャリスティックな魅力とブラジリアン・ミュージックの持つオーガニックな魅力が溶け合った奇跡のフューチャー・ブラジリアン・ジャズ・サウンド!>
ホントその通りの音だと思う。まったくハズレ曲もなく、トータルに完成されていて、自信をもってオススメできる傑作。