2009.10.29
ウェブデザインの95%はタイポグラフィ
Information Architects Japan - ウェブデザインの95%はタイポグラフィ
http://informationarchitects.jp/ja/the-web-is-all-about-typography-period/

Information Architects Japan - 95%タイポグラフィ説ーその後
http://informationarchitects.jp/ja/webdesign-is-95-typography-partii/

Web Trend Map」で世界的に知られるデザイン会社、Information Architects JapanのOliver Reichenstein氏による2006年の記事。Webデザインにおけるタイポグラフィの重要性について述べられており、何度読み返しても啓発される素晴らしい内容。

両エントリより抜粋:

<ウェブ上の情報の95%は文字になった言葉です。ですから、ウェブデザイナーになる人間は言葉や文章の体裁について、つまりタイポグラフィについてきちんと訓練を受けていることが必要である、というのは理にかなった主張だと考えています>。

<1969年、スイスの著名なタイポグラファーであるエミール・ルーダーが当時の印刷物について語ったことは、今の我々の時代のウェブサイトにも通じるものがあります。"今日、我々をとりまく印刷物は洪水のように氾濫し、印刷物ひとつひとつの価値は相対的に低下しています。絶え間なく印刷物に囲まれている現代の私たちには、もはやすべてのものを読むことなど不可能だからです。この山のような印刷物を分類し、きちんと整理して、読む人が本当に益となるものを見つけ出す手助けとなることが、タイポグラファーの役割なのです。">

<タイポグラフィに気を遣うと言うことは、読みやすさ、アクセシビリティ、ユーザビリティ(!)そして全体的なグラフィックバランスを向上させることと同義です。テキストのブロックを画像や何かと一緒にきちんとオーガナイズする。これはグラフィックデザイナーや、ユーザビリティスペシャリスト、インフォメーションアーキテクトの仕事じゃなくて何なのでしょう。そして、どうしてこの事がもっと大事にされてこなかったのでしょうか>。

<インフォメーションデザインとは、タイプフェースの善し悪しを論じることではありません。タイポグラフィの善し悪しの話なのです>。

<優れたウェブデザイナーであれば、テキストを単なるコンテンツとしてだけではなく、ユーザーインターフェイスとして扱うことを知っているはずです>。

<ユーザビリティの神々のミスとは

1.テキストライン(メジャー)が長過ぎる
2.100%スケーリングはリーダー・フレンドリーではありません。考えなくてよいサイトを(Don’t make me think)、でもウィンドウをリサイズしなくて良いサイトも大事
3.余白がない
4.アクティブな余白がない
5.行間スペースが狭すぎる
6.テキストブロックがキレイに並んでいない
7.フォントサイズの種類が多すぎる
8.画像が邪魔なところに配置されている>

<アート・スクール出身者にありがちな間違い

1.テキストと背景カラーのコントラスト
2.タイトルやサブタイトルの扱いがぞんざい
3.テキストサイズ
4.テキストブロックが、見やすくて把握しやすい大きさに分割されていない
5.識別しにくいリンク。訪問済みかどうかわからない
6.テキストがインターフェイスとしてではなく、デコレーションのような扱い
7.テキストがナビゲーションなのか、リンクなのか、記事なのかわかりづらい
8.オシャレなナビゲーションが一番目立ってしまう。(コンテンツが一番目立つべきで、デザイナーが一番愛情を注ぐべき箇所なのに)>

<タイポグラフィとはフォントを選んだり、作り出すことではなく、ユーザーエクスペリエンスを最高にするためにテキストの形を変えることにあるのです>。


関連エントリ:
『アイデア』最新号 超充実のエミール・ルーダー特集
http://mojix.org/2009/02/15/idea333_ruder