2009.02.15
『アイデア』最新号 超充実のエミール・ルーダー特集
デザイン誌『アイデア』の最新号は、超充実のエミール・ルーダー特集。

IDEA NO. 333 : エミール・ルーダー
http://www.idea-mag.com/cgi-bin/book/catalog.cgi?item=333



特集:
エミール・ルーダー タイポグラフィ
エミール・ルーダー フィロソフィ

構想、コンセプト、デザイン:
ヘルムート・シュミット

<50年代,60年代にかけてスイス,バーゼルを舞台にかけて活動し,その動的かつ優美なタイポグラフィと熱心な教育活動でデザイン史に大きな足跡を残すデザイナー,エミール・ルーダー。「アイデア」第333号は、このモダン・タイポグラフィの巨匠の活動を,世界にはじめてのスケールで特集します。ルーダーの代表作や初公開作品に加え,デザイン,タイポグラフィに関する評論の数々を収録。ルーダーの思想と造形に多角的に迫ります。編集・デザインを手がけるのはルーダーに学び,その精神とともに日本で活動する世界的デザイナー,ヘルムート・シュミット。時を越え、静かに熱く放たれた入魂の一冊>。

本屋で平積みになっているのを目撃して、「あっ」と思った。ヘルムート・シュミットのデザインであることはすぐにわかった。『タイポグラフィ トゥデイ』や『バーゼルへの道』と並ぶ重要な1冊が出たのだ。

『アイデア』の特集はいつも充実しているが、それにしても今回のエミール・ルーダー特集はものすごい気合いの入り方で、まさに圧巻だ。<時を越え、静かに熱く放たれた入魂の一冊>というのもぜんぜん大げさではなく、この1冊の準備・製作にどれくらい時間がかかっているのか想像もつかない。

ヘルムート・シュミットが深くかかわったエミール・ルーダー特集ということで、1997年に朗文堂から出た、ヘルムート・シュミットによるルーダー本『バーゼルへの道(der Weg nach Basel)』と重なる部分がけっこうある。しかし、分量的には今回の特集のほうが倍くらいある感じで、初めて見る図版やテキストも満載。『バーゼルへの道』を持っている人でも買って損はない。冒頭の紹介文にも<世界にはじめてのスケールで特集>とあるし、テキストも日英併記なので、世界的に見ても貴重な1冊になるものと思う。

ルーダーやスイス・タイポグラフィが好きな人はもちろん、これまでルーダーを知らなかった人も、手に取ればきっと欲しくなる1冊だと思う。これで2,970円はどう考えても安すぎる。


関連:
ウィキペディア - エミール・ルーダー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8..
エミール・ルーダー、ヘルムート・シュミットのプロフィール(ページ下部にある)
http://www.idea-mag.com/cgi-bin/book/catalog.cgi?item=333
helmut schmid
http://schmidtoday.com/
shortcutweb - ヘルムート・シュミット 「タイポグラフィ トゥデイ」
http://www.shortcutweb.com/news/1044699892-news
di-a-logue - helmut schmid : design is attitude
http://www.nullartless.com/diary/2007/05/helmut_schmid_design_is_attitu.html

関連エントリ:
ウォルフガング・ワインガルト - 32個のオプションが見せるひろがり
http://mojix.org/2003/12/09/220906