2010.05.06
災害時に犬が安否情報を伝える「Messenger Dog」
CIID : Interaction Design Programme - Messenger Dog
http://dkds.ciid.dk/idp09/graphical-user-interface/projects/messenger-dog/

Designboom - messenger dog
http://www.designboom.com/weblog/cat/16/view/9896/messenger-dog.html



「Messenger Dog」は、デンマークのデザイン学校「CIID」の学生によるプロジェクト。

動画撮影と文字入力ができるベストを犬に着せて、地震などの災害時、被害者がビデオメッセージを家族などに送れるようにするもの。








地震などの災害時は、家族は離ればなれになってしまい、互いにどこにいるかもわからない。そのような場合、この犬が被災している場所をウロウロ歩き、みんながビデオメッセージを録画したり、録画されているものを見たりすれば、自分の家族の安否が確認できる可能性がある。







災害時以外でも、犬を通じて動画や文字の入出力ができるというこのユーザ・インターフェイスは、可能性がありそうだ。犬に「おつかい」してもらったり、ごく小さいものの運送などにも応用できるかもしれない。

ケータイなどと違って、入出力の装置を人間が持っている必要がなく、犬にその装置自体がついているところがポイントだろう。「伝書鳩」の現代版のようでもあり、考え方としては「街を歩くロボット」などのロボット無人技術と近いところもある。

犬自体に入出力インターフェイスをつけるだけでなく、複数の犬が通信できたり、ヘリコプターなどとも通信できれば、さらに可能性がひろがりそうだ。最新のテクノロジーを応用した「動物による通信」「動物による運送」というのは、これからの分野かもしれない。

単純に、iPhoneをそのまま装着できる犬のベストを作るだけでも、この「Messenger Dog」のような役割を果たせるかもしれない(ネットに直結でブラウザなどもあるので、むしろ便利かもしれない)。太陽電池と、犬の動きで発電できるような装置などをつけられれば、ずっと連続動作できる可能性もあるかもしれない。災害時は、手元にケータイがないとか、ケータイがあってもバッテリー切れということが多そうなので、iPhoneを装着したベストを犬に着せて、大量に放すだけでも、けっこう役に立ちそうな気もする。


関連エントリ:
立てこもり犯人をロボットがホールドアップ これぞ無人技術の可能性
http://mojix.org/2009/12/25/robot_holdup
伝書鳩による通信
http://mojix.org/2003/10/15/2241