2009.12.25
立てこもり犯人をロボットがホールドアップ これぞ無人技術の可能性
産経ニュース - 車いすの立てこもり犯人が投降 ロボットがホールドアップ 米バージニア州(2009.12.24 14:08)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/091224/amr0912241408010-n1.htm


銃を携帯したロボットに向かって、両手を上げる車いすの犯人(AP)

<AP通信によると、米バージニア州ウィザビルの郵便局で、銃を持った車いすの男が人質5人をとって立てこもっていた事件で、約8時間後の23日深夜、男が警察の説得に応じて投降し、身柄を拘束された。
 男は軍用爆弾を所持しているとの情報もあったため、警官隊もうかつに近づけず、警察側は最新式の銃携帯ロボットを車いすの男に向けて「ホールドアップ」。男は両手を上げたまま、爆弾が装備されている疑いのある車いすから離れ、地面にうつぶせの姿勢をとった>。

ロボットが「ホールドアップ」(「手を上げろ」)して、立てこもり犯人をやっつけたという面白いニュース。

災害などの危険な現場や、作業が難しい場所に無人の建機(建設機械)を送り込み、遠隔で操作するというのは聞いたことがあるが、こういう犯罪解決にロボットを使うというのは初めて聞いた。これぞ「無人技術」の可能性という感じだ。

しかしこういう新技術は、あらゆるテクノロジーと同様、良い目的にも、悪い目的にも使える。今後、ロボットが普及してきて、誰でも所有したり、作ったりできる時代が必ずやってくる。そのときに何が起こるのか。

ロボットを使えば、何らかの達成したい目的を、自分の生身の身体を巻き込まずに達成できるわけだ。無人建機や、このニュースのような犯罪解決に使うのは「良い目的」だが、逆にロボットを使って犯罪を起こすという「悪い目的」にも使える。この事件では、犯人は生身の人間だったが、犯人のほうもロボットだったらどうなるのか。

街の中に人間が歩いているような感じで、ロボットがそこらじゅうを歩く時代が必ずやってくるだろう。そのロボットは「人型」とは限らず、小動物のように小さく、すばっしこいかもしれないし、キリンやゾウのように大きく、動きもノロいかもしれない。そのロボットの中には、「良いロボット」と「悪いロボット」がいるだろうし、本来は「良いロボット」なのに、その頭脳部のソフトウェアが攻撃され、「ハイジャック」されて、「悪いロボット」になってしまうかもしれない。

ロボットがそこらじゅうを歩く時代の「犯罪」とは、どういうものだろうか。まるでSFのように、「良いロボット」と「悪いロボット」が戦う光景を、いつか見れるかもしれない。


関連エントリ:
無人技術の可能性
http://mojix.org/2008/12/28/unmanned_tech
クルマの未来は「ロボットカー」にある
http://mojix.org/2008/12/03/robot_car
太陽電池・燃料電池で飛ぶNASAの無人航空機「ヘリオス」
http://mojix.org/2008/07/13/nasa_helios
Googleマップのストリートビュー機能に思うこと
http://mojix.org/2008/08/06/google_street_view
A9 Yellow Pages
http://mojix.org/2005/01/31/163117