2008.12.28
無人技術の可能性
レジデント初期研修用資料 - 足したら引かなきゃいけない
http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/archives/161

<いろんな国で、だから「無人戦闘機」というものが研究されているけれど、「無人」という新技術を導入するならば、人間の許容範囲を大きく超えた、無人の超絶戦闘機を想像してはいけないのだと思う>。

<「人が乗らなくてもいい」という、新しい複雑さをそこに導入するならば、今度はたぶん、「相手の戦闘機に勝つ」という、戦闘機本来の任務、複雑さを捨てられるという発想をしないといけない>。

<無人戦闘機には、人が乗っていないのだから、もう勝たなくてもいい。たとえ撃墜されたところで、基本的に誰も困らない。困らないなら、機体は安く、たくさん作ればいい>。

私は戦闘機については詳しくないが、この種の無人技術には興味がある。

先日「ロボットカー」について書いたが、私もmedt00lzさんと同じく、無人技術の可能性の中心は、「人が乗っていないので、いくらでも失敗できる」というところだと思っている。

クルマや航空機、建設機械といったものが「人間」から切り離されて無人化すると、

1 小さくできる
2 数を増やせる
3 失敗できる

といった可能性がひらける。特に、3の「失敗できる」(事故などがあっても人間が乗っていないので、損失が少ない)という点が大きいと思う。

科学技術というのは、すべての人間を「王様」にしてくれるものだ。昔の王様であれば、たくさんの使用人や奴隷を使ってやっていたようなことを、技術によって誰でもできるようにしてくれる。

特に無人機械やロボットの技術は、単に「人間を機械でおきかえる」というのとはまったく別の、根本的にあたらしい考え方・可能性をもたらしてくれる。

その意味では、無人技術はどこか「情報技術」に似ていると思う。ITの世界では、いったんサーバやプログラムを作れば、容易にコピーできて、大小さまざまなプログラムを常時、たくさん走らせておくことができる(注)。それは人間が作ったものだが、人間が「運転」しているわけではない。

注:
「Webサーバ」はその代表例だろう。これのおかげで、このブログも24時間「無人営業」ができている。


関連エントリ:
クルマの未来は「ロボットカー」にある
http://mojix.org/2008/12/03/robot_car
太陽電池・燃料電池で飛ぶNASAの無人航空機「ヘリオス」
http://mojix.org/2008/07/13/nasa_helios
自動操縦もできるオープンソースの小型無人ヘリコプター「Vicacopter」
http://mojix.org/2008/07/03/vicacopter