2003.08.21
赤田祐一 『「ポパイ」の時代』
今日渋谷に行ったとき、空いた時間ができたのでブックファーストに寄ったら、『クイック・ジャパン』のバックナンバーフェアをやっていた。

『クイック・ジャパン』49号に載った「未来の雑誌狂ジェネレーションへ」という小西康陽×坪内祐三×赤田祐一の対談を読んで、かつて雑誌狂であった私のハートに火がついた。

さっそく赤田さんの 『「ポパイ」の時代』を買って読んだ。もう冒頭の「はじめに」から激しく感動。<あなたは次号が待ちどおしくなるような雑誌を持っているだろうか>という問いは、私の胸に刺さった。

この本は去年の末に出て、yamaさんが大騒ぎしていたのだが、その時はそれほど興味が湧かなかった。これはベストセラーになるような本ではないが、雑誌というものをまじめに考えている人は必読の本だ。

もちろん主題は(初期の)「ポパイ」という雑誌であり、関係者へのインタビューがこの本を大半を占める。しかしこの本が読者の心を打つのは、ただの「ポパイ」ストーリーではなく、雑誌狂・赤田祐一の「ソウル」がビンビン伝わってくるからだろう。

当時の「ポパイ」関係者でありながらも、やや冷めたスタンスに立つ北山耕平氏のインタビューがひときわ面白い。これがあることで、当時の「ポパイ」がいっそう浮き彫りになる。