2004.01.23
Zopeを超えるPythonのキラーアプリ?P2P型ファイル配信ツール「BitTorrent」
「ZopeはPythonのキラーアプリ」と言われ続けてきたが、ある方面ではZopeよりもはるかに知られているPythonのアプリケーションがある。「BitTorrent」だ。

BitTorrent
http://bitconjurer.org/BitTorrent/

BitTorrentはP2P型の高速ファイル配信ツールで、ダウンロード中のクライアントがサーバにもなることで、巨大ファイルの高速ダウンロードを可能にする(仕組み)。

「いまごろBitTorrentか?」と思う人もいるかもしれないが、私はわりと最近知って、Zope以外でこれほど普及しているPythonアプリケーションがあることにとても驚いた。仕事などで会う技術系の人に、BitTorrentを知っているか訊いてみたところ、知らないという人がほとんどだったので、ここに紹介しておくことにした。

海外のアングラ方面ではファイル配布ツールとしてほとんど定番化しているらしく、Googleで「BitTorrent」を検索すると約600万件もヒットする(ちなみに「Zope」は500万件弱)。

BitTorrentの作者Bram Cohenは、主にオープンソースソフトウェアの配布などを念頭に置いており、不法なファイルの配布は(当然)推奨していない。<BitTorrentで、明らかに違法なファイルを配信するのはまったくばかげている。BitTorrentは匿名機能は備えていない。匿名性と両立しえない点が多く存在するからだ>(CNET Japanの記事より)

日本では、Zopeを通じてPythonを知る人が比較的多いと思うが、世界的に見れば、Pythonはじつに広範囲で使われている。Redhat LinuxのインストーラがPythonでできていたり、Googleの多くの部分がPythonでできていると聞いて、驚く人は少なくないのではないか(他の例)。

そしてファイル配信の新たな定番ツールとなったこのBitTorrentも、Pythonの威力を証明するキラーアプリのひとつに仲間入りしたと言ってよさそうだ。