2004.01.22
ソフトウェアインフォーマリズム / 継続的設計 / 仮想プロジェクト管理
カリフォルニア大学アーバイン校のソフトウェアリサーチ研究所上級科学研究員、Walt Scacchiへのインタビュー。

CNET Japan : オープンソースを学問する
http://japan.cnet.com/interview/story/0,2000050154,20063817,00.htm

Walt Scacchiはオープンソースプロジェクトを研究している。

我々はフリー/オープンソースのプロジェクト、複数のコミュニティにおける複数のプロジェクトに関して研究しています。MosaicやApacheなど、ウェブやウェブの基盤を支えるソフトウェアのように一般的な分野だけでなく、コンピュータゲーム業界や、天文物理学、ソフトウェア設計におけるオープンソースの活用についても研究しています。複数のプロジェクトを違う領域にまたがって研究することで、ソフトウェア工学の原則の中で推奨されていたものと違う何かが見えます

オープンソースプロジェクトのあり方を調べていくと、要求仕様や設計に関して、通常のソフトウェア工学とは違うやり方が見えてくるという。

Walt Scacchiはそれらを「ソフトウェアインフォーマリズム」「継続的設計」「仮想プロジェクト管理」といった概念で捉えようとしている。

継続的設計とは、1つの基本設計が必ずしも存在しないということです。これは要求事項のときとほぼ同じです。代わりに、その設計に対するその日の理解というものが存在します。それは昨日時点、もしくは明日時点の理解とは違うかもしれません。決まった目標を伴う制限された活動ではありません。むしろ継続的な活動で、システム設計はインフォーマリズムの中に存在するのです。重要なのは、その発展性です

オープンソースとアジャイルに親近性を感じる人は少なくないと思うが、このWalt Scacchiへのインタビューを読んでいると、オープンソースプロジェクトの研究者なのに、まるでアジャイリストの言葉のように聞こえる。