2004.02.22
「就活」中の学生へ
このmojix.orgを読んでくれている人で、就職活動中の大学生や短大生、専門学校生はいるだろうか?

asahi.com : こんな親の子、就職はムリ!
http://www.asahi.com/job/special/TKY200402210255.html

この記事を読んで、<3、4社の面接や説明会をはしご>とか、最後のほうには<まじめに就活する学生は50、60社は普通に受けている>とか書いてあって、驚いた。

この記事の主旨は、「就活」する学生を持つ親についてのものだが、私はむしろ、そんなに無節操に企業を受けまくる学生が問題だと感じる。

私は、就職活動というものを一切しなかった。東大の工学部だったので、周囲のクラスメイトはみな、大学院に進むか、国家公務員になるか、一流企業に入った。しかし私は大学院にも、就職にも興味がなかった。そんな変人はクラスで私1人だった。

大学のときからやっていたライター、ミニコミ作り、予備校教師を、大学を出てからもほぼそのまま続けた。社会的な地位としては、完全にフリーターである。いま考えると、もっと「マトモ」な道もあったと思う。しかし当時の私はそれしか頭になかったんだから、人生はそういうものだと思うのだ。

そんな生き方を、後悔していないと言えばウソになる。それなりに後悔している。もっと最初から偉いポジションについていれば、いまよりもラクだったかもしれない :-) しかし、この生き方を選んだのは私だし、そんなふうに生きてきたことが、いまの私を形成している。

私はつねに、自分が興味あること、熱狂できることを追いかけてきた。仕事と興味を完全に一致させることはむずかしいが、できるだけ一致させることを目指している。人生の半分以上は仕事をしているんだから、仕事と興味が一致しているほうが幸せだと思う。

冒頭のasahi.comの記事では、一流企業・有名企業を望む親に対し、子供の側は<自分がやりたいこと>を重視する、という内容になっている。これはいい。しかし、<自分がやりたいこと>を重視する人間が、<50、60社は普通に受けている>とはどういうことか?<まじめに就活する>って、どこが「まじめ」なのか?

私であれば、50、60社も受けているような主体性のない人間など、採用するわけがない。「絶対内定」みたいな本を読んだり、就職コンサルタントの言うことを聞いて、いったいどこの会社にもぐりこもうというのか。世間体を気にするだけの親と、少しも変わらないじゃないか。

ほんとうに<自分がやりたいこと>があるのか、それが問題だ。それは学生だけではなく、死ぬまでそうだろう。

音楽をやりたい。小説家になりたい。建築家になりたい。プログラマーになりたい。スタイリストになりたい。カフェを開きたい。自分のラーメン屋を持ちたい。ネットベンチャーを起業したい。何か自分なりの<やりたいこと>があるなら、一直線にそれをやればいい。まだ見つからないならば、人生勉強のつもりで、いろんなことをやればいい。

就活中の学生には、セコイ就職本・面接本などではなく、トム・ピーターズの『ブランド人になれ!』を一読することをすすめたい。これからは、「個人ブランド」の時代だ。