新株予約権、差し止め ライブドアの仮処分申請認める
asahi.com : 新株予約権、差し止め ライブドアの仮処分申請認める
http://www.asahi.com/national/update/0311/TKY200503110331.html
<ライブドアとフジテレビによるニッポン放送株争奪戦で、同放送がフジに巨額の新株予約権の発行を決めた問題で、東京地裁は11日、ライブドア側の申請を認め、発行を仮に差し止める仮処分決定をした。鹿子木康(かのこぎ・やすし)裁判長は「発行は現経営陣の支配権を維持することを主な目的とするもので著しく不公正だ」と述べた。最初の司法判断は申請から15日で示された。同放送側は決定を不服として同日夜、同地裁に保全異議を申し立てた。>
注目の結果が出た。妥当な判断だと思う。
<今回は、新株予約権の発行について(1)第三者(フジ)に特に有利な条件で行われたか(2)著しく不公正な方法だったか、が主な争点だった。(2)については、発行の主要目的が支配権の維持かどうか▽「企業価値の維持」のための発行を認めるかどうか――を判断する必要があった。
差し止めの一つの要件は「条件」だ。第三者への有利発行にあたるとなれば、株主総会の決議を経ていない今回の発行は商法に違反することになる。決定は「発行価格の算出方法について明らかに不合理な点は認められない」として、有利発行とまではいえないと判断した。
もう一つの要件は、発行方法のあり方だ。決定は、新株発行に関する過去の裁判例で有力なルールとなっている「主要目的が支配権の維持にある場合は不公正」という判断を適用。発行は「フジサンケイグループに属する経営陣の支配権を維持することを主たる目的とするもの」と認定した。
同放送側は「ライブドアの支配により企業価値が損なわれるのを防ぎ、放送の公共性を確保するために発行した」と主張した。
決定は「企業の支配権の争奪戦でどちらに経営を委ねた方が収益の向上が期待できるかを判断するのは株主だ」と指摘。裁判所の判断対象について、「ライブドアの支配権取得で企業価値が著しく損なわれることが明らかといえるかどうかという点だ」と限定し、「著しく損なわれることが明らかとまでは認められない」と判断した。
ニッポン放送がライブドアの子会社になった場合について、決定は「ライブドアの試算通りに収益や株価の向上が合理的に予測できるとまではいえない」とする一方で、「ネット利用者の増加などからすると、ラジオとネットの事業の相乗効果が期待できないとはいえず、ライブドアの計画に合理性がないとまではいえない」とも述べた。
ライブドアの時間外取引による株式取得についても「規制対象になっておらず、証券取引法に違反していると認めることもできない」と述べた。
そのうえで、ライブドアが同放送の支配権を取得しても放送の公共性が失われるとは認められない、とした。>
http://www.asahi.com/national/update/0311/TKY200503110331.html
<ライブドアとフジテレビによるニッポン放送株争奪戦で、同放送がフジに巨額の新株予約権の発行を決めた問題で、東京地裁は11日、ライブドア側の申請を認め、発行を仮に差し止める仮処分決定をした。鹿子木康(かのこぎ・やすし)裁判長は「発行は現経営陣の支配権を維持することを主な目的とするもので著しく不公正だ」と述べた。最初の司法判断は申請から15日で示された。同放送側は決定を不服として同日夜、同地裁に保全異議を申し立てた。>
注目の結果が出た。妥当な判断だと思う。
<今回は、新株予約権の発行について(1)第三者(フジ)に特に有利な条件で行われたか(2)著しく不公正な方法だったか、が主な争点だった。(2)については、発行の主要目的が支配権の維持かどうか▽「企業価値の維持」のための発行を認めるかどうか――を判断する必要があった。
差し止めの一つの要件は「条件」だ。第三者への有利発行にあたるとなれば、株主総会の決議を経ていない今回の発行は商法に違反することになる。決定は「発行価格の算出方法について明らかに不合理な点は認められない」として、有利発行とまではいえないと判断した。
もう一つの要件は、発行方法のあり方だ。決定は、新株発行に関する過去の裁判例で有力なルールとなっている「主要目的が支配権の維持にある場合は不公正」という判断を適用。発行は「フジサンケイグループに属する経営陣の支配権を維持することを主たる目的とするもの」と認定した。
同放送側は「ライブドアの支配により企業価値が損なわれるのを防ぎ、放送の公共性を確保するために発行した」と主張した。
決定は「企業の支配権の争奪戦でどちらに経営を委ねた方が収益の向上が期待できるかを判断するのは株主だ」と指摘。裁判所の判断対象について、「ライブドアの支配権取得で企業価値が著しく損なわれることが明らかといえるかどうかという点だ」と限定し、「著しく損なわれることが明らかとまでは認められない」と判断した。
ニッポン放送がライブドアの子会社になった場合について、決定は「ライブドアの試算通りに収益や株価の向上が合理的に予測できるとまではいえない」とする一方で、「ネット利用者の増加などからすると、ラジオとネットの事業の相乗効果が期待できないとはいえず、ライブドアの計画に合理性がないとまではいえない」とも述べた。
ライブドアの時間外取引による株式取得についても「規制対象になっておらず、証券取引法に違反していると認めることもできない」と述べた。
そのうえで、ライブドアが同放送の支配権を取得しても放送の公共性が失われるとは認められない、とした。>