2005.09.17
シブヤ2.0 - 「ブログ資本主義」の街
yomoyomoさんがいろいろな2.0についてまとめていたが、たしかに、いたるところに2.0がやってきている感じはする。

そのなかでも私が個人的に注目していて、まだ誰も言っていないように思う2.0は、「シブヤ2.0」だ。

90年代前半の「渋谷系」、90年代後半の「ビットバレー」以降、カルチャーやビジネスの動きとしては、渋谷から先端的なものが出ていないように思う。

もちろん、渋谷はいつも人が集まるにぎやかな街ではあるが、カルチャーやビジネスの発信基地という意味では、アキバ系・萌えブームの秋葉原や、ヤフーやライブドア、外資系の投資銀行などが集まる六本木などにお株を奪われていた気がする。

しかし最近、私は渋谷に「何か」を感じている。大学の頃いらい、渋谷にはそれほど足を向けていなかったのが、今年に入ったあたりから、なぜか渋谷が気になりはじめたのだ。

渋谷は昔から、人が多すぎてまっすぐ歩くこともできない、ゴチャゴチャしたうるさい街だった。特にこの10年くらいで、街が荒れたような感じがして、ますます興味を失っていたのだが、最近はそれも含めて、逆に「面白い」と思えるようになってきた。私が変わったのか、街が変わったのかわからないが、何か渋谷に「活気」が出てきているように感じるのだ。

少し前、『東洋経済』が「ブログ資本主義」というタイトルで、ブログ関連の有望ベンチャーを特集していた。そこでのキーワードは「U30(30歳以下)」とか「ネット・ネイティヴ」といったもので、六本木を拠点にしているヤフーやライブドアなど、前の世代の「勝ち組」とはまた違った、新しい世代の台頭を伝える画期的な特集だった。

六本木ヒルズは「ヒルズ族」という言葉もできたように、まさに「勝ち組のシンボル」という感じがする。これに対し、それほどギラギラしていない新世代、「ブログ資本主義」のシンボルはどこだろう?と考えたときに、その特集でも中心的な扱いだったはてなイー・マーキュリー(mixi)も渋谷にあることを知り、「これはひょっとして、新世代のビットバレーなんじゃないか?」と思ったのだ。

同じ頃、アップルストアが渋谷にできることを知った。いまのアップルは、マックというより「iPodの会社」であり、iPodとはまさに「ブログ資本主義」を象徴するツールのひとつだと思う。そのiPodをひっさげてアップルが渋谷にやってきたということに、私は偶然でない何かを感じた。

「ブログ資本主義」の核心は、テクノロジー・ビジネス・クリエイティヴの3つが融合しているところにあると思う。渋谷という超マルチレイヤーでゴチャゴチャした街は、その3つを融合させる実験場として、格好の街ではないだろうか。

アップデート (10/7) :
トラックバックいただいた以下の記事によると、関心空間も原宿とのこと。

Seven Degrees : 原宿
http://d.hatena.ne.jp/xpotechi/20051006/p4

私が「シブヤ」と書いているのは、「シブヤ経済新聞」のいう「広域渋谷圏」(原宿、青山、代官山、恵比寿などを含む)の意味なので、原宿も「シブヤ」です。