2005.09.18
PythonからRuby on Railsへの回答か - Webフレームワーク 「TurboGears」 登場
PythonのWebフレームワークとしては、1998年にオープンソースとして公開されて以来、世界じゅうに普及している「Zope」が最も有名だが、他にもさまざまなものがある

ここ最近のRuby on Railsの浮上は、このPythonのWebフレームワーク・シーンにも刺激を与えているようで、RoRに対抗するものとして、中でも「Django」が注目を集めているようだ。GoogleMapsを使ったWeb 2.0なサイトとして評価の高いChicagocrime.org」は、このDjangoでできている。

活気づいてきたこのPythonのWebフレームワーク・シーンに、さらに「TurboGears」というニューフェイスが加わった。

TurboGears
http://www.turbogears.org/

<TurboGears is the rapid web development megaframework you've been looking for>
(大意:TurboGearsは、あなたが探していた高速Web開発メガ・フレームワークです)

と書かれており、以下の要素技術からできている。



MochiKit - (Python的な)JavaScript / Ajaxライブラリ
Kid - Pythonのテンプレートエンジン
CherryPy - Pythonのオブジェクト指向Webフレームワーク
SQLObject - PythonのObject-Relationalマッパー

TurboGearsは、これらの既存技術を組み合わせた「メガ・フレームワーク」になっている。ZopeやDjangoはほぼ独自技術で固めているのに対し、TurboGearsはこれらを「くっつける」アプローチになっているのが新しい。

特に、ホットなJavaScript / Ajax系の最新技術のひとつ「MochiKit」を採用しているところなどは、後発の強みだろう(このMochiKit自体も注目。デモなど参照)。

そしてRuby on Railsが、その威力を見せつけるムービー(「Show, don't tell!」)をあらかじめ用意していたように、TurboGearsも最初からデモムービーを準備している。

TurboGears : 20 Minute Wiki screencast (80MB QuickTime)
http://www.turbogears.org/docs/wiki20/20MinuteWiki.mov

約20分でWikiシステムを開発するというもの。
この内容をWikiに記述したチュートリアルもある。

TurboGears : The 20 Minute Wiki
http://www.turbogears.org/docs/wiki20/index.html

これらをざっと見た印象に過ぎないが、このTurboGearsはかなり有望なプロジェクトだという感じがする。まだ出たばかりなので、すぐに実用で(ビジネスで)使うというわけにはいかないだろうが、今後1~2年くらいのスパンでは、確実に浮上してくると思う。

もちろん、Zope3やDjangoもさらに伸びてくると思うので、これらが全体として、Pythonのエコシステム(生態系)やマーケットを拡大するのに寄与するだろう。

個人的にはZope3中心に見ているが、DjangoやこのTurboGearsにも注目している。

ネタ元 :
from __future__ import * : TurboGears
http://bob.pythonmac.org/archives/2005/09/17/turbogears/