2006.02.15
日本のカフェ・カルチャーは新しい「国風文化」
最近、若者が日本文化に対して興味を持ってきた、という話をよく聞く。
いわゆる「カフェ」カルチャーなどでも、「和」の要素を採り入れることはすでに当たり前になっている。
欧米っぽい趣味よりもむしろ、いまや「和」のほうが新しい感じがするくらいだ。

「カフェ」は、高い文化意識を具現化する空間だ。
そこはもはや、ただ飲んだり、休むための場所ではない。
雑誌のカフェ紹介などでは、「くつろぐ」「まったり」といった決まり文句がいつも出てくるが、
実際は、あらゆる細部への「こだわり」が凝縮した、どちらかといえばテンションの高い空間だ。

カフェが提供するものは、メニューにのっているドリンクやフードだけではない。
内装や家具、食器など、あらゆるものが、その店の美意識を表現している。
カフェはまさに、街に散らばった、現代の「茶室」だ。
カフェを訪れる人は、その高度に精神的な「こだわり空間」に入り込むのだ。

「カフェめし」という言葉もできたように、カフェは日本の食文化にも変化をもたらし、
いまや「あたらしい主流」になりつつある。

平安時代の「国風文化」は、中国趣味(「唐風」)から日本への回帰だった。
カフェ・カルチャーなどに見られる、若者による日本文化の再生現象は、
欧米コンプレックスを乗り越えた日本が生み出す、新しい「国風文化」なのかもしれない。