2008.03.13
そろばんの経験者は、暗算するときそろばんの盤面を浮かべている
最近は「百ます計算」とか、インド式計算とか、ちょっとした計算ブーム(?)みたいだ。

私は子供のとき遊んでばかりいて、その後に役立つことをほとんど何もしていなかったのが悔やまれるが、そろばん(珠算)だけは何年かやって、そのときのスキルはいまに至るまで、ずっと役に立っている。

もちろん、そろばんそのものはもう使わないのだが、買い物にいったときなど、3~4ケタくらいの足し算なら暗算でできるので、ちょっと便利なのだ。

そろばんの経験者は、暗算するとき、アタマの中にそろばんの盤面を浮かべている。
数字そのものではなく、盤面であるところがミソだ。

数字は人為的な記号であるのに対し、盤面の珠の位置は数字の大きさを定量的にあらわしているので、アタマの中に思い浮かべて、それを操作しやすい。

そろばんの高段者は、この「アタマの中でのそろばんの操作」をすごい精度でできるので、10ケタ×10ケタくらいの掛け算ができたりする。

そこまですごい掛け算でなくても、そろばんをやっていた人なら誰でも、この「アタマの中でのそろばんの操作」がある程度できる。

これは単なる「手法」であり、特に才能がなくても、練習すれば誰でもできるものだ。

しかしいまや、学校でもそろばんなどやらないだろうし、そろばん塾(珠算塾)というのも見かけなくなったので、こんなにシンプルで便利な「手法」も、絶滅しつつあるのだろう。

私も仕事では電卓を使うし、電卓どころかもうコンピュータなしでは生きていけない人間になってしまったが、こういうまったく手ぶらの状態でも役に立つスキルというのは、やはり貴重だと思う。