2008.06.18
József Eötvös(ヨージェフ・エトヴェシュ)によるギター編曲版 『ゴルトベルク変奏曲』
まずは、これを聴いてみてほしい。

József Eötvös - Bach - Goldberg Variations, Aria & Var. 1-6
http://www.youtube.com/watch?v=22S6tdMVTns

József Eötvös(ヨージェフ・エトヴェシュ)というハンガリーのギタリストによる、バッハ『ゴルトベルク変奏曲』(英語読みで『ゴールドベルグ変奏曲』とも表記される)のギター編曲版の演奏だ。ギターへの編曲も本人による。

私はYouTubeでバッハ関連のものをいろいろ見ていて、これに出会った。最初の数秒を聴いただけでショックを受け、その「音」に完全に魅了されてしまった。

バッハの『ゴルトベルク変奏曲』は、『平均律クラヴィーア曲集』などと並び、バッハの鍵盤曲のなかでももっとも有名な曲のひとつだ。私はグールドやシフなど数人のピアノ演奏しか聴いたことがなかったが、このギター演奏を聴いて驚いたのは、まずギターであるかどうかに関係なく、とにかくその「音」と「響き」がやたらにいい、ということだ。

ソロ・ギターによるゴルトベルク変奏曲 ヨージェフ・エトヴェシュ編曲・演奏
自主制作盤 EJ-01WZ 日本盤 キング(KKCC-4270)
http://www.asahi-net.or.jp/~pg6y-skt/joska/jegv.html



この作品は1997年にデジタル録音された自主制作盤で、その後話題になり、日本盤も出たとのこと。
渋谷タワレコ6Fのバッハ・コーナーを探すと、見事に置いてあった。
私が買ったものはキングの帯や型番などが一切ついていないので、直接輸入盤のようだ。

CDで聴いて、その「音」の良さにあらためて驚愕した。「ギターで聴くのもいいものだね」みたいなレベルではなく、これこそバッハのオリジナルではないかと思ってしまうような「迫真の音」なのだ。ギターなのに、まるでオリジナル楽器によるバロック演奏みたいで、新鮮でピチピチしている。

ひとつひとつの音をていねいに弾いており、テンポもゆっくりだが、かったるい感じにならない。私にとっては、まさに理想的な音だ。演奏がいいだけでなく、録音もいいのだろう。

上記のページを含む以下のサイトに、József Eötvösの情報がいろいろ載っている。

ヨージェフ・エトヴェシュ József Eötvös
http://www.asahi-net.or.jp/~pg6y-skt/joska/
(クリック後フレームのページになり、左のメニューから各ページが見れます)

なお、YouTubeには冒頭部分だけでなく、CD全体にあたるものが7分割されて全部載っているようだ。

József Eötvös - Bach - Goldberg Variations
http://www.youtube.com/watch?v=22S6tdMVTns
http://www.youtube.com/watch?v=SMozvRE_JxE
http://www.youtube.com/watch?v=B9j5-QNTNKw
http://www.youtube.com/watch?v=pyEoMQ5O_gI
http://www.youtube.com/watch?v=erPwA4QPB0Q
http://www.youtube.com/watch?v=X1eOLWjkO2E
http://www.youtube.com/watch?v=PufTUxrwSxk

しかし、この素晴らしい「音」は、ぜひともCDで聴いて欲しい。

この極上のギター音楽は、バッハ好き、バロック音楽好きはもちろん、例えばマニュエル・ゲッチングの『E2-E4』(こんな音)あたりが好きなプログレ、ハウス、テクノなどのファンも、きっと気に入ると思う。