2008.07.12
欧文書体の今を知る
Webデザイン・グラフィックデザインの会社「AQ」のサイトにある、「欧文書体の今を知る」というシリーズ記事がすばらしい。

欧文書体の今を知る Vol.1 : Klavika by Eric Olson
http://www.aqworks.com/2007/07/23/facetime-1-type-designer-eric-olson-on-klavika/



現代の有力な書体(タイプフェイス)デザイナーを紹介する、全6回のシリーズ。

冒頭に次のようなイントロ文がある。

<日本人デザイナーにとって、時に欧文書体の選択は難しいものです。書体の持つ、微妙なニュアンスや文化的背景が掴みにくく、「Helvetica」や「Garamond」といった古い付き合いの書体から離れられなかったり、真意とは異なる意味を含む書体を選んでしまったりするのです>。

<ところで、毎年何千もの欧文書体がリリースされていることをご存知ですか。このシリーズでは、現代の世界中のタイプデザイナーによってつくられた、上質かつ多様に使える優れた書体をご紹介していきます>。

第2回で紹介されている「Bliss」は、ロンドン地下鉄の書体「Johnston」(1913年)に影響を受けているとのこと。

欧文書体の今を知る Vol.2 : Bliss by Jeremy Tankard
http://www.aqworks.com/2007/07/28/facetime-2-type-designer-jeremy-tankard-on-bliss/



全6回、いずれも見事な書体ばかりで、記事そのものも美しくまとまっている。

アルファベットは文字が少ないので、日本語に比べれば書体(タイプフェイス)の開発がしやすい。日本に暮らしていると、<毎年何千もの欧文書体がリリースされている>という状況はなかなか想像しにくい。

このシリーズは、欧米では書体タイポグラフィの世界がいかに広大であるか、その一端を感じさせてくれる。