2008.08.13
デトロイト・メタル・シティという「広告」
少し前から、渋谷パルコに『デトロイト・メタル・シティ』という映画の大きな広告が出ている。



『デトロイト・メタル・シティ』は同名のマンガが原作らしく、ウィキペディアに詳しい解説があった。

ウィキペディア - デトロイト・メタル・シティ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87..

このマンガのキャラが、2、3か月前からタワレコで広告に使われていて、「これはなんなんだろう?」と思っていた。その後しばらくして、同名のマンガがあり、それが映画化されるのだと知った。

映画『デトロイト・メタル・シティ』の公開は8月23日だそうなので、タワレコと組んで、キャンペーン的に盛り上げていくという手法のようだ。

さらに、この映画に出てくるデトロイト・メタル・シティという架空のバンドが、実際に「SATSUGAI」というレコードを出したらしい(上の写真にある黒っぽい広告がそれ)。

まず原作のマンガがあり、それの実写版映画にあわせて、タワレコと組んでキャンペーンをやり、さらにレコードまで出すという、クロスメディア的な展開だ。

私は広告手法や広告業界についてはまったく詳しくないが、これはきっと話題を集めているのではないだろうか。この映画自体は広告ではないものの、いろいろな媒体を使ってキャンペーン的に盛り上げていくという仕掛けが、「広告」を感じさせる。

これからの「広告」はきっと、こんなふうに面白いコンテンツと一体化し、ストーリーを吹き込むようなものになっていくのだろう。どこまでがコンテンツで、どこからが広告なのかわからないような、そういうもの。

もうテレビCMは録画されてスキップされているし、Webサイトのバナー広告なども、そのうち技術的にフィルタされるのが普通になるだろう。技術が発達すればするほど、昔ながらの「無理やり見せる広告」は成立しなくなる。仮に「無理やり見せる」ことが可能だったとしても、そこには不快感しか残らず、むしろ印象が悪くなるだろう。

けっきょく広告が生き残るには、魅力的なコンテンツや、役に立つコンテンツと一体化していくという方向しかないように思う。そして、そこにこそ、広告というものの無限の可能性が感じられる。

関連:
デトロイト・メタル・シティ 予告編
http://jp.youtube.com/watch?v=bcu8W-3XjjM