2009.03.03
インドカレー屋のBGM
「インドカレー屋のBGM」というコンピレーションCDのシリーズがある。

インドカレー屋のBGM - インドカレー屋で流れている謎の音楽はこれだった!
http://www.jvcmusic.co.jp/currybgm/



BARKS - インドカレー屋で流れている謎の音楽はこれだった!
http://www.barks.jp/feature/?id=1000020035&m=additional

たしかに、インドカレー屋というのはたいてい現地人がやっていて、店内にはインド音楽が流れている。もしインドカレー屋でJ-POPとかがかかっていたら、どう考えてもしっくり来ない。やはり、インドカレー屋はインド音楽でなければならないのだ。

それも、インドカレー屋で流れているインド音楽はたいてい、シタール・タブラみたいな感じの伝統的なやつではなく、打ち込み主体の軽快なポップスだ。これは、普通の現地人が普通に聴いている音楽が、ポップスだということなのだろう。

日本で普通に暮らしていると、インドのポップスを耳にする機会というのはほとんどない。日常的にインドの音楽を聴いているというマニアはごく少数だろう。しかしインドカレーが好きな人は、それなりに多い。よって普通の日本人にとっては、インドのポップスというのは、インドカレー屋で流れている「あの音楽」、つまり「インドカレー屋のBGM」という位置づけになるわけだ。

この「インドカレー屋のBGM」シリーズは、インド音楽のマニア向けではなく普通の日本人に向けて、「インドカレー屋のBGM」としてインド・ポップスを提示しているところが、コンセプトの勝利だと思う。

「インドカレー」というのは、「梅干し」というのと同じくらい、その言葉や写真を見ただけで、強烈な「味覚の想起」を呼び起こす。よくインドカレー屋に行っている人は、「インドカレー屋のBGM」と聴いただけで味覚の想起が生じて、さらにインドカレー屋で流れているインド・ポップスを瞬時に連想するだろう。味覚と結びついた音楽が想起されるのだ。