2009.06.24
「デ・ステイル」創始者の1人、Vilmos Huszárの「untitled」(1924)
最近、アートがおもしろい。わりと何を見ても、インスピレーションを感じる。

10数年ぶりに、自分の中で「アートのスイッチが入った」かもしれない。

Vilmos Huszár 「untitled」(1924)
wood, nails, oil paint
http://collections.walkerart.org/item/object/825



ヴィルモス・フスザール(Vilmos Huszár)は「デ・ステイル」の創始者の1人。

私はフスザールは名前しか知らなくて、作品を見るのはたぶん初めてだが、木の箱に「デ・ステイル」っぽいペインティングをしたこの作品、かなり気に入った。

デ・ステイル」という美術運動は、純粋なアートというよりも応用志向が強くて、建築やインテリア、グラフィック・デザイン、タイポグラフィなど、広く「デザイン」を射程にしている(リートフェルトの「シュレーダー邸」などが有名)。

しかしただのデザインではなくて、やはりアート的な強さがあるのが「デ・ステイル」の特徴だ。このフスザールの箱のペインティングにも、それがよく出ている。

この作品は、初期の「デ・ステイル」に加わっていたモンドリアンの絵にも似ているし、グラフィック・デザインとして見れば、「グリッド・システム」みたいな美学もある(「デ・ステイル」自体が、いわば「グリッド・システム」の先駆だ)。その特有の色づかいによる矩形の構成が「デ・ステイル」であり、それが立体物である箱の各面に描かれているというところがまた、絵画から建築まで横断した「デ・ステイル」っぽいのだ。

パッと見は地味なんだけど、カッコいい作品だと思う。


関連:
Wikipedia - Vilmos Huszár
http://en.wikipedia.org/wiki/Vilmos_Husz%C3%A1r
ウィキペディア - デ・ステイル
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87..
デ・ステイル展――表現の射程と「建築」との距離(1997年 セゾン美術館)(私はこの展覧会を見た)
http://www.dnp.co.jp/museum/nmp/nmp_j/review/0201/ex_ishi0201.html