2009.06.28
寒い建物の中にビニールハウス方式で暖かい空間を作る「Selective Insulation」
Dezeen - Selective Insulation by Davidson Rafailidis
http://www.dezeen.com/2009/05/28/selective-insulation-by-davidson-rafailidis/





ベルリンの建築家、Davidson Rafailidisの作品(写真はSteve Mayesによる)。

19世紀の古い建物をスタジオにしている、イギリスのアーティストのために作ったもの。建物が古く、部屋全体を断熱することが困難なため、部屋の中にビニールハウス方式でもうひとつの部屋を作った、というものらしい。その内側の部屋が「Selective Insulation」(訳すと「部分断熱」という感じ?)というわけだ。

窓、2人分の机、ドアという3つの要素がそのまま構造に生かされていて、それを木枠でつなぎ、ビニール(いわゆる「プチプチ」のようだ)を張っている。

あまりコストをかけずに暖かい空間を確保する、という必要性から出てきたアイディアで、構造にもムダがないのに、見た目にも何かカッコいい。

「機能が形を作る」といった言葉があったと思うが、まさにそんな感じだ。必要性と機能がむき出しで、安価な素材だけでできているところが、なんとも美しい。

上の写真の、窓と机のつなぎかたとか、個人的にはかなり好みだ。バックミンスター・フラーに通じる美学を感じる。