「子午線移設」で日本時間を1時間繰り上げよう、という案
東雲の独語 - 旧聞だが子午線移設を支持する
http://minerva-s.blog.so-net.ne.jp/2010-04-22
<私はサマータイムよりいいと思う。
東京だと夏に4時ころに明るくなるのはおかしいと思う。それでいて午後7時半にはまっくらというのは東アジア特有の現象、時間間隔だろう。
この日本辺境論、ガラパゴス現象の一つの問題だ。
前にサマータイムについて論じた時の問題点の殆どを解消する方策である。それでいてサマータイム批判者の論拠もみな崩れてしまう方策として、評価すべきだ>。
日本時間(日本標準時)を決める「子午線」を移設し、生活時間をまるごと1時間繰り上げよう、という案があるらしい。私はこれを読んで初めて知った。
以下の産経ニュースの記事(今年2月)で詳しく紹介されている。
産経ニュース - 子午線移設で2兆円効果を!? 早起きニッポン研究会、今夏提案へ(2010.2.5 12:52)
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/100205/trd1002051253003-n1.htm
<日本の標準時のもととなる子午線を、兵庫県明石市を通る現在の東経135度から東に15度移し、標準時ごと1時間繰り上げてしまおうという壮大な計画を、元行政マンが発案。今年夏にも国に提案する方向で、5日午後に初会合を開く学識者らの民間組織「早起きニッポン研究会」で協議を始める。日本人の生活リズムを変え、省エネや経済発展につなげるのが目的で、効果額は約2兆円に上ると試算。海外には子午線を移した例もあるといい、発起人は「ぜひ実現したい」と話している>。
ここでいう「標準時ごと1時間繰り上げ」とは、例えばいまわたしたちが「午前7時」と呼んでいる時間が、「午前8時」になるということ。
これによって、会社や学校の時間をいまよりも1時間前倒しして、日照時間を有効活用しよう、という話である。
<発案したのは、平成9(1997)年に京都市で開かれた国連の第3回気候変動枠組み条約締約国会議(COP3)にもかかわった元市職員、清水宏一さん(64)。清水さんは、京都議定書を生んだ会議に接する中で、欧州諸国の多くは国の東側に子午線がひかれ、朝を早く迎えてエコや経済活動への効果を生み出していることに気づいた>。
<子午線変更で1時間の繰り上げが実現すれば、夜間の消費電力が減るほか、労働効率が上がり余暇も増え、文化活動も活発化するとみられる。財団法人・日本生産性本部(東京)は、国全体で時計を1時間早めるサマータイムを実施すると、年約9700億円(15年度調べ)の経済効果があると試算。清水さんは子午線をずらし、恒常的に時間を繰り上げることで「経済効果はサマータイムの約2倍になる」とみている>。
これは面白い。たしかに、これならばサマータイム(夏時間)の効果を上げられて、かつサマータイムのような面倒さがない。
もし実際にやるとなると、もちろんいろいろな検討が必要だろうが、「午前9時」とか「午後5時」といった「名称」は変えずに、それが指す「実体」を変えようという話なので、システム的な混乱は意外に少ない気がする。会社の勤務時間や学校の時間割などは、すべて「時間の名称」で書かれているので、変える必要がないのだ。
しかし、日本標準時がいまの「UCT+9」から「UCT+10」に変わることになるので、「UCT+9」であることに依存しているシステムは変更の必要がある。つまり、日本時間という「ローカルな座標系」の上で完結している「ローカルな時間記述」は変更の必要がないが、その「ローカルな座標系」自体が1時間ずれるので、世界時を基準とした「グローバルな座標系」に依存する「グローバルな時間記述」は変更する必要がある。
実際やるかどうかはともかく、もしやるとどうなるのか、そのメリットとデメリットは何か、という検討は広くおこなわれても良さそうだ。少なくとも、こういう案があること自体は、もっと知られてもいいと思う。
関連:
ウィキペディア - 標準時
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%99..
ウィキペディア - 日本標準時
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5..
http://minerva-s.blog.so-net.ne.jp/2010-04-22
<私はサマータイムよりいいと思う。
東京だと夏に4時ころに明るくなるのはおかしいと思う。それでいて午後7時半にはまっくらというのは東アジア特有の現象、時間間隔だろう。
この日本辺境論、ガラパゴス現象の一つの問題だ。
前にサマータイムについて論じた時の問題点の殆どを解消する方策である。それでいてサマータイム批判者の論拠もみな崩れてしまう方策として、評価すべきだ>。
日本時間(日本標準時)を決める「子午線」を移設し、生活時間をまるごと1時間繰り上げよう、という案があるらしい。私はこれを読んで初めて知った。
以下の産経ニュースの記事(今年2月)で詳しく紹介されている。
産経ニュース - 子午線移設で2兆円効果を!? 早起きニッポン研究会、今夏提案へ(2010.2.5 12:52)
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/100205/trd1002051253003-n1.htm
<日本の標準時のもととなる子午線を、兵庫県明石市を通る現在の東経135度から東に15度移し、標準時ごと1時間繰り上げてしまおうという壮大な計画を、元行政マンが発案。今年夏にも国に提案する方向で、5日午後に初会合を開く学識者らの民間組織「早起きニッポン研究会」で協議を始める。日本人の生活リズムを変え、省エネや経済発展につなげるのが目的で、効果額は約2兆円に上ると試算。海外には子午線を移した例もあるといい、発起人は「ぜひ実現したい」と話している>。
ここでいう「標準時ごと1時間繰り上げ」とは、例えばいまわたしたちが「午前7時」と呼んでいる時間が、「午前8時」になるということ。
これによって、会社や学校の時間をいまよりも1時間前倒しして、日照時間を有効活用しよう、という話である。
<発案したのは、平成9(1997)年に京都市で開かれた国連の第3回気候変動枠組み条約締約国会議(COP3)にもかかわった元市職員、清水宏一さん(64)。清水さんは、京都議定書を生んだ会議に接する中で、欧州諸国の多くは国の東側に子午線がひかれ、朝を早く迎えてエコや経済活動への効果を生み出していることに気づいた>。
<子午線変更で1時間の繰り上げが実現すれば、夜間の消費電力が減るほか、労働効率が上がり余暇も増え、文化活動も活発化するとみられる。財団法人・日本生産性本部(東京)は、国全体で時計を1時間早めるサマータイムを実施すると、年約9700億円(15年度調べ)の経済効果があると試算。清水さんは子午線をずらし、恒常的に時間を繰り上げることで「経済効果はサマータイムの約2倍になる」とみている>。
これは面白い。たしかに、これならばサマータイム(夏時間)の効果を上げられて、かつサマータイムのような面倒さがない。
もし実際にやるとなると、もちろんいろいろな検討が必要だろうが、「午前9時」とか「午後5時」といった「名称」は変えずに、それが指す「実体」を変えようという話なので、システム的な混乱は意外に少ない気がする。会社の勤務時間や学校の時間割などは、すべて「時間の名称」で書かれているので、変える必要がないのだ。
しかし、日本標準時がいまの「UCT+9」から「UCT+10」に変わることになるので、「UCT+9」であることに依存しているシステムは変更の必要がある。つまり、日本時間という「ローカルな座標系」の上で完結している「ローカルな時間記述」は変更の必要がないが、その「ローカルな座標系」自体が1時間ずれるので、世界時を基準とした「グローバルな座標系」に依存する「グローバルな時間記述」は変更する必要がある。
実際やるかどうかはともかく、もしやるとどうなるのか、そのメリットとデメリットは何か、という検討は広くおこなわれても良さそうだ。少なくとも、こういう案があること自体は、もっと知られてもいいと思う。
関連:
ウィキペディア - 標準時
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%99..
ウィキペディア - 日本標準時
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5..