2010.07.28
日本の住所: 道の名前はなく、ブロック番号がある
最近Mercurial(分散型のバージョン管理ツール)を使いはじめて、ちょっとずつ勉強しているのだが、かのJoel Spolskyが書いた「Hg Init」というMercurialのチュートリアルで、次の面白い文章が紹介されていた。

Derek Sivers - 日本の住所: 道の名前はなく、ブロック番号がある
http://sivers.org/jadr

<私は自分の考え方を根本的に変えてしまうような何かを学ぶことが大好きです。それでは私が見つけた最もクールなヘッドフリッパー(考え方を変えさせるもの)の一つを見てみましょう: 日本の住所です>。

これを書いているのはDerek Siversというミュージシャン・起業家で、この記事では「日本の住所」の特殊性を面白く解説している。



例えばシカゴでは、「道」に対して名前がついており、「ブロック(区画)」に名前はない。



いっぽう東京では、「ブロック」に名前(番号)がついており、「道」にはふつう名前がない(大きな道路を除いて)。

この記事では、この日本の住所体系は<私が見つけた最もクールなヘッドフリッパー(考え方を変えさせるもの)の一つ>だとされており、驚きであるとされている。わたしたち日本人にはむしろあたりまえの考え方だが、たしかに外国では「通りに名前をつける」方式のほうがよく見かけるので、日本のブロック方式は斬新なのかもしれない。

ちなみに、この記事をJoel SpolskyがMercurialのチュートルアルで紹介したのは、いま最も使われているバージョン管理ツールであるSubversionの考え方と、Mercurialの考え方の違いを説明するためだ。Subversionでは「リビジョン(バージョン番号)」が中心だが、Mercurialでは「チェンジセット(どんな変更をしたか)」が中心であり、この考え方の違いは大きい。この「パラダイム」の違いを説明するために、Joel Spolskyはこの「日本の住所」という面白い記事を引いたわけだ。


関連エントリ:
神田に「神田ナントカ町」という地名がやたらある理由 / 住所の仕組み「住居表示」
http://mojix.org/2008/09/29/kanda_juukyohyouji
日本の広告からURLが消えた
http://mojix.org/2008/03/28/no_url_in_japan_ad