2010.11.24
コンビニのおでんはなぜ70円なのか マーケティング技術の最先端
東洋経済オンライン - 「コンビニおでん70円均一」の謎を深掘りする《それゆけ!カナモリさん》(10/11/20 | 07:10)
http://www.toyokeizai.net/business/management_business/detail/AC/12344a86c59ad650071b256a5e4ed0d3/

<10月13日付日本経済新聞本紙35面の小さなコラム「数字すうじ」にその話題が掲載されていた。タイトルは「70円――コンビニおでんセール、なぜか各社が横並び」。コンビニ各チェーンのコメントを掲載しているところに注目したい。ある大手チェーンは「70円均一はセブンイレブンが先行し、対抗上、同じ価格になった」と説明。70円は「店名のセブンにちなんだのでは」とみる。別のチェーンは「利益がとれるぎりぎりの値段。7個買ってワンコインで済むわかりやすさもある」と明かす。一方、セブン―イレブン・ジャパンは「不動の一番人気の大根が75円なので、それを下回る価格設定とした」と「店名由来説」を否定とある。
 「コンビニのおでんは、なぜ70円均一なのか?」。上記記事では分かったような、分からないような状態。そもそも、コンビニがおでんに注力するのはナゼか?>

コンビニのおでんはなぜ「70円」なのか、というのを切り口に、コンビニの「おでんマーケティング」を考察した面白い記事。この金森努(かなもり・つとむ)氏の記事は、わりといつも面白い。

私はコンビニのおでんをあまり買ったことがないので、なぜ「70円」なのかという以前に、店内をあれだけ「おでん臭く」してまで、おでんを売っていること自体が不思議ではある。それだけ売れていて、儲かっている主力商品だということなのだろう。

<さて、コンビニ店頭で販売される商品は、ナショナルブランドかPB(プライベートブランド)の別はあっても完成品だ。利益=販売価格-卸値で決まっている。店頭でさらに収益を上げるなら、店員であるパート・アルバイトの人件費は既に決まっているので、店内で加工度を高めて収益を上げられる「店内調理品」を充実させることに走るわけだ。
 収益率の高い店内調理品の中でも、最も単価アップが期待できるのが「おでん」である。なぜなら、「コロッケ1つ」とか、「チキン1つ」というように、揚げ物系の店内調理品は基本的には単品注文。しかし、おでんで「はんぺん1枚」とか「大根1つ」とか単品で注文する人は、まずいない。
 同一商品の買い増し・買い換えを促進することを「アップセリング」という。その意味で、おでんは店内調理品の優等生であるのだ>。

こういうマーケティングの話、「売る側の論理」は、じつに面白い。コンビニは狭い空間でいかに利益を上げるかが勝負なので、こういうマーケティング技術の最先端なのだろう。