2011.06.14
「役割」をうまく配分できたとき、コラボレーションは成功する
以前、こんな話を聞いたことがある。ジャニーズファンの女性、例えばSMAPのファンが、SMAPが好きな人どうしで、何人かでいっしょに行動しているとする。そのとき、SMAPの同じメンバーが好きな人が2人以上いると、ライバルになってしまって、敵対しがちだという。

例えば、SMAPファンの女性グループに草なぎくんが好きな人が2人いて、そのグループがいっしょにSMAPのライブに行ったとする。すると、ライブ中に草なぎくんがこっちを見てくれたとき、「いま草なぎくんは私を見てくれた!」と2人とも主張するので、争いになるというのだ。

これはハタから見れば滑稽な話だが、こういう「趣味が近すぎて敵対するパターン」というのは、アイドルファンに限らず、よくある話だと思う。例えばバンドをやるにしても、ギターをやりたい奴が2人いると、ポジション争いになってしまって、うまくいかない。

人間どうしが仲良くなるには、趣味とか価値観の点で、ある程度は接点や共通項が必要だろう。しかし、あまりにも趣味や価値観が近い場合、ライバル関係になって、逆に敵対してしまうこともある。一種の「縄張り争い」が起きるのだ。

SMAPのどのメンバーが好きか、バンドでどの楽器を担当するかというのは、要するに「役割」の話である。複数の人間からなるグループは、それぞれの「役割」をうまく配分できたとき、グループとしてうまく機能するのだと思う。

コラボレーションが成功するかどうかのカギは、この「役割」の分担だろう。みんな「役割」が異なるという、一定の「距離感」がそこにあってこそ、自分以外の人の「役割」を尊重し、リスペクトできる余裕がうまれる。