2003.12.20
Ploneトレーニング / 目的ドリブンと無目的ドリブン
びぎねっとトレーニングルームにて、Ploneトレーニングを開催。

Ploneのインストールから、基本的な使い方、カスタマイズ、仕組みまで、丸1日かけての解説・デモ・演習。

Zopeのセミナー、トレーニングは何度もやってきたが、Ploneと銘打ってのトレーニングは初めてだ。もちろん日本でも初めてだろう。

少人数ながら、早くから満員締切になった。やはりPloneは人気があるようだ。静岡や大阪からわざわざ受講しに来てくださった方もいた。

今回はPloneが中心ということで、Zopeのレイヤーからボトムアップに解説するのではなく、Ploneの画面をいじりながら掘り下げていくトップダウン方式の構成にしてみた。丸1日にわたって、受講者のやる気が比較的高いレベルで持続していたように見えたので、この構成はわりと成功したようだ。

Zopeから始めると、Webサイトをスクラッチ(白紙)から書くような感じになるが、Ploneから始めると、ポータルのひな型を好みにあわせて作り変えていく感じになる。

なんでも叩き台があるとやりやすいのと同じで、Ploneから始めたほうが、やりたいことへの「距離」が近く、やりやすい感じはする(もちろん、何をやりたいかにもよるが)。

デフォルトのPloneを、自分のやりたい理想のイメージに近づけていくカスタマイズの過程で、Ploneを成立させている技術(CMF, Zope, Pythonなど)に必然的に出会うことになる。カスタマイズしたいレベルの深さに応じて、必要な技術も深くなる。

技術をやって、それを応用するという順番でなく、やりたいことがあって、それを実現するための技術をやる、という進め方を、私は「目的ドリブン」と呼んでいる。今回の進め方はこれに近い。

技術というものに対して、私は2つの見方を持っている。

(1) 目的ドリブン:目的や応用のための手段として技術があるという見方

(2) 無目的ドリブン:技術そのものに耽溺する、そのものを味わうような、純粋科学あるいは芸術的な見方

ZopeやPloneについて言えば、Webサイトやポータルなどの実現手段と見なすのが(1)で、それほど具体的にやることが決まっていなくても、遊び感覚でいじりまわすのが(2)に近い。(2)は「自己目的ドリブン」と言ってもいい。

もちろん、この2つはきちんと切り離すことはできないが、「目的志向」と「技術志向」と言ってもいいこの2つの傾向の違いは、確実にある。

どちらがいいということはなく、両方とも必要で、それぞれの良さがある。

そしてこの2つの傾向は、技術だけでなく、ほとんど何についても言えるかもしれない。

例えば店で言えば、何か買いたいものがあって店に行くのが目的ドリブン。特に決まった買いものがあるわけではないが、なんとなく店に入ってブラブラする、というのが無目的ドリブンだ。