2004.06.12
ネット音楽レーベル、Thinner / Autoplate
DTM(デスクトップ・ミュージック)の情報を探していて、このページにたどり着いた。

THINNER RELEASES : Jason Corder - Microcosmos LP (THN057 | 11.05.2004)
http://www.thinnerism.com/releases.php?r=thn057

MP3でアルバムの曲が聴けるのかと思ったら、なんとこれ自体がアルバムだった。

このThinner / Autoplateというのは「ネットレーベル」で、フリーで音楽を配信している。商用利用は禁止だが、自分で聴いたり、CDに焼くのもOKで、ラジオやDJで使ってもいい。

フリーで配信される音楽のクオリティなど、大したことないだろうと思っていたのだが、このThinner / Autoplateというレーベルのクオリティには驚いた。タワレコあたりのテクノコーナーで試聴機に入っていてもぜんぜんおかしくない。

いくつか聴いてみた中で、いいと思ったものをピックアップしてみた。テクノ、ハウス系が好きな人はぜひ聴いてみてほしい。

Jason Corder - Microcosmos LP (THN057 | 11.05.2004)
http://www.thinnerism.com/releases.php?r=thn057

Paul Keeley & Dennis DeSantis - Transatlantic Nightclub EP (THN052 | 14.03.2004)
http://www.thinnerism.com/releases.php?r=thn052

Paul Keeley - Sussex Blue EP (THN048 | 05.01.2004)
http://www.thinnerism.com/releases.php?r=thn048

(これは私が聴いてみた一部からのピックアップに過ぎないので、きっとほかにもいいのがたくさんあると思う)

もしこれくらいのクオリティのものがまだまだあるのなら、これは到底見過ごせない動きだ。

ソフトウェアの世界でも、フリーのものなんて使い物にならないと思われていた時期がかつてあった。しかしいまは、むしろフリーのものが世界標準になっている例が少なくない。

同様に音楽の世界でも、これからはクリエイターが作ったものを即ネットで公開して、そのなかで評判を得たものが有名になっていく、という流れになっていくかもしれない。直接稼ぐことができなくても、評判を得て有名になってしまえば、ライヴやDJをやって間接的に稼ぐことができる。

こうなると、レコード会社やショップの存在意義、どこで付加価値をつけるかというこれまでのルールも一変する。しょうもない音楽を宣伝やタイアップ、ニセ・ランキングで無理やり広めるような、洗脳みたいな手法もこれからは通用しなくなるだろう。

時代はすでに、1曲いくらで音楽ファイルをダウンロード販売するところまで来ているのだから、このマーケットの一部が完全フリーになるのも時間の問題という気がする。

こういうフリーのネットレーベルが、これからぞくぞく出てくるのではないか。実に楽しみだ。