2005.02.03
プラクティカルなイギリス、「底抜け」のフランス
茂木健一郎 クオリア日記 : 他者としてのフランス現代思想
http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2005/02/post_5.html

<イギリスとフランスはお互いに相手を
「A nation of shop keepers」
(ナポレオンがイギリス人を揶揄して言った言葉)
「frog」
(イギリス人がフランス人を揶揄して言う言葉)
と茶化しつつ、実は愛し合っている。
 かつて、ルアーブルの私の友人は、「イギリスに行くと、イングリッシュ・ブレックファーストを食べるのが楽しみなんだ!」と告白したし、イギリス人はパリがもっともロマンティックな都市だと思っている。
 この複雑怪奇な現代世界では、複眼的な思想が必要だ。
 no nonsenseで世界を平面的にしか見れない人に対しては、「君、少しフランス思想を服用したまえ」と言いたいし、フランス思想にかぶれてぐちゃぐちゃな人には、「君、もう少しプラクティカルになりたまえ」と言いたい>。

イギリスの経験主義的なアプローチを「プラクティカル(実際的)」、フランス現代思想のようなアプローチを「ふにゃふにゃ」「底抜け」としている。

「底抜け」はうまい表現だなあ。これは茂木さんのオリジナルなのか、それともわりと有名なラベルなんだろうか。

ナポレオンによるイギリス評、「A nation of shop keepers」というのも知らなかった。いろんな国や国民性について、こういう面白いキャッチフレーズをたくさん知りたい。

イギリスの経験主義と、フランスの「底抜け」、どちらかに与するのではなく、両方とも必要、<複眼的な思想が必要>だとする茂木氏のようなスタンスは、とても貴重だ。