2005.02.05
「製品」としての建築 : フォルクスハウス+Be-h@usが 「ニッポン・プロダクト」 88点のひとつに選出
aki's STOCKTAKING : ニッポン・プロダクト
http://landship.sub.jp/stocktaking/archives/000658.html

<美術出版社の『デザインの現場』3月号増刊号は「ニッポン・プロダクト」、JIDA 日本インダストリアルデザイナー協会の創立50周年(2002年)を記念事業としての「ID50年史」として出版された。
今年2005年は太平洋戦争敗戦から60年、日本は米国による占領という状況から、米国の進んだ技術、工業製品を見せつけられ、自己の文化への新しい理解が生まれ、日本という自己の風俗・習慣。環境を認識せざるをえない、それが日本のインダストリアルデザインの原点となった。
そして60年、インダストリアルデザインの歴史、その成果がここにある。
フォルクスハウス、そしてBe-h@usが、先人達の歴史とともに、88点の製品(さすがインダストリアルデザイン、作品とはいわない)の一つとして選ばれた>。

Be-h@usは、建築家・秋山東一氏らが進める方法論・ムーヴメントで、「建築のオープンソース」とも言うべき新しい動向だ。

以前いちど紹介し、それ以来個人的にも注目しつづけていたのだが、このたびBe-h@usが日本のインダストリアルデザイン・ベスト88に選出されたそうだ。

スーパーカブ、フェアレディZ、ウォークマンなどと並んで選ばれているということで、驚くべき快挙ではないだろうか。建築物で選ばれているのはこれだけだという。

最近の建築家ブームも個人的には興味を持って見ていて、もっと盛り上がってほしいと思っている。しかしいまのところ、有名建築家、「作家」や「先生」がたくさん出てくるという段階を超えていない気がする。

「作品」を超えるような、普遍的・客観的な尺度や方法論が出てきてほしい、というのが私の願いだ。Be-h@usはその意味で、建築家ブームよりも「先に」ある、新しい動きだと思う。

Be-h@usでは、「Bauhaus」と似たその表記や、メーリングリストなどで使われている「citrohan」という名称(ル・コルビュジェによる、量産可能・規格化された住宅の方法)などにも、そういう志向がよくあらわれている。

一般的にはまだあまり知られていないBe-h@usが、「作品」ではなく「製品」として、これほど高く評価されたというのは、素晴らしいニュースだ。