2005.05.12
「パケットビークル」と時間ソリューション
Ringo's Weblog : パケットビークル
http://www.ce-lab.net/ringo/archives/2005/05/post_1.html

<たとえば自動車を自動的に運転する技術が発達したら、移動中にほかのことができるので、自動車の速度を遅くすることができる。
通勤に2時間かかろうとも、車の中で新聞を読んだり、朝食を食べたり、さらには寝たり、仕事をしたりできるので、「常時ゆっくり動いている」という交通機関が可能になる。ゆっくり移動する専用の道路があって、そこでは一人乗りの小さな乗りものがたくさん行列をなしている。
ルートが交差するところでは、それぞれの乗りものが、高度に最適化されたアルゴリズムで、パケット交換の要領で、パケットビークルの行き先に応じて振りわけをする。
そんなわけで、この小さな、SMARTサイズの乗りものは「パケットビークル」と呼ばれる。最大速度は20km/hなので、死亡事故はほとんどない>。

これは面白い!

通勤時間が30分だけれども、苦痛で何にも活用できていない人よりは、2時間かかるけれども、座って本を読んだりして活用できている人のほうが、「長さを感じない」はずだ。

通勤時間が2時間近くあるが、読書にあてているので苦にならない、といったことを書いていたのはたしか橋本大也さんだったと思うが、橋本さんに限らず、そのような「通勤時間の戦略的活用」という話はときどき聞く。

人間にとって、「時間の長さ」はあくまでも感覚的なものだ。楽しい時間は「あっというま」で、苦しい時間は永遠にも感じられる。

「パケットビークル」は、移動時間を活用できるようにすることで、物理的な時間は長くなるが、体感的な時間を短くする。

テクノロジーによって物理時間を短縮することはさんざんおこなわれてきたが、むしろ物理時間は長くなってもいいので、有効活用によって体感時間を短くするという「時間ソリューション」は、ほとんど未開の原野かもしれない。