2005.07.11
「家なき若者」が集う安宿続々 都心で1泊1480円
asahi.com : 「家なき若者」が集う安宿続々 都心で1泊1480円
http://www.asahi.com/life/update/0711/002.html


(写真はasahi.comより)

<「フリーター・求職者 長期滞在歓迎」。こんな看板を掲げた宿が、東京・新宿や渋谷など若者が集まる繁華街に現れ出した。日雇い作業の請負業者が寮として始めたところ、家賃が払えない20、30代を中心に集まり出し、1年半で都内15カ所に広がった。地元に働き口がなく上京してきた人やフリーター生活から抜け出せない若者……。若年失業率が9%台で高止まる中、「家なき若者」のよりどころになっている。
 宿の名は「レストボックス」。「エム・クルー」(東京)という建設現場の軽作業を請け負う会社が03年11月に始めた。社長の前橋靖さん(36)は20代で2年間の路上生活を経験。プロサーファーを目指したがかなわず、日雇い労働をしながら生活を取り戻し、蓄えで事業を始めた>。

路上生活経験者が、これを事業にしてしまったというのが面白い。その名も「レストボックス」。

<宿は高田馬場や上野などいずれも都心の主要駅から徒歩5分圏内の古い貸しビル内にある。3段ベッドを置き、共同使用の電子レンジと洗濯機付きで1泊1480円。同社の日雇い作業に就くのが基本条件だが、他社の求職活動をしても構わない。ただ、この会社で3カ月間に1回も働かなければ、退居しないといけない>。

「宿の牛丼」みたいなものかもしれない。機能を制限すれば、これくらい激安でも商売になりそうだ。

<前橋さんによると、利用者は主に、役者などの夢を追う20代、フリーター歴が長くなり社会に適応できなくなった30代、リストラや自己破産で行き場をなくした40代以上の3タイプに分かれるという。平均滞在日数は44日。「若者にも需要があるというのは、正規の職に就けない今の社会の反映かもしれないが、ここを底にステップアップしてほしい」と前橋さん>。

「ここを底にステップアップ」か。これこそ、社会の役に立つ事業なのかもしれない。
この「安宿マーケット」は、これから伸びそうな気がする。