2005.07.14
日本はアメリカの「のびのび」を見習おう
My Life Between Silicon Valley and Japan :
産経新聞7/4 正論「ネットの開放性は危険で悪なのか 巨大な混沌こそがフロンティア」
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20050713/p1

<日本の場合、インフラは世界一になったが、インターネットは善悪でいえば「悪」、清濁では「濁」、可能性よりは危険の方にばかり目を向ける。良くも悪くもネットをネットたらしめている「開放性」を著しく限定する形で、リアル社会に重きを置いた秩序を維持しようとする。
 この傾向は、特に日本のエスタブリッシュメント層に顕著である。「インターネットは自らの存在を脅かすもの」という深層心理が働いているからなのかもしれない。
 アメリカが圧倒的に進んでいるのは、インターネットが持つ「不特定多数無限大に向けての開放性」を大前提に、その「善」の部分や「清」の部分を自動抽出するにはどうすればいいのか、という視点での理論研究や技術開発や新事業創造が実に活発に行われているところなのだ>。

<日本もそろそろインターネットの「開放性」を否定するのではなく前提とし、「巨大な混沌」における「善」の部分、「清」の部分、可能性を直視する時期に来ているのではないか。「日本がアメリカよりも進んでいる」という前提で物事を発想できる若者たちが大挙して生まれたことは、日本の将来にとっての明るい希望なのだから>。

2週間のお休みだった梅田望夫さんの復活エントリは、すばらしい論考。

さすが米国と日本を股にかけている梅田さんならではの考察、という気がする。

インターネットという新天地では、アメリカの開拓精神、フロンティア・スピリットがうまく機能し、日本の保守主義、減点主義、異質性を排除する精神などは、マイナスにはたらくということだろう。

手先の器用な日本は、インフラやハードを作るのは得意だが、インターネットというソフトなテクノロジーの舞台では、手先の器用さだけでなく、「マインドの持ちかた」も重要になってくる。

日本はインフラだけは進んできたものの、ネット上でどこか存在感が薄いのは、「マインドの革命」が遅れているからかもしれない。

世代交代によってマインドが自然に入れ替わる部分もあるだろうが、若い世代も教育やメディアなどの影響を受けるので、そこは意識的に流れをつくっていく必要もありそうだ。

アメリカという国には、その大雑把さや野蛮さにうんざりさせられることもあるが、その開放性や若さ、永遠とも思える「未開さ」は、いつもうらやましく思う。

アメリカは「いいところを伸ばす」のがうまい。これは、国のマインドがいつも若く、楽天主義で、「のびのび」しているからだろう。

人間も植物と同じで、叱責や懲罰などのマイナスの力でコントロールしようとしても、いい育ち方をしない。いいところを伸ばし、プラス志向でのびのび育てるのが、いちばんいい。

日本はそんなアメリカのいいところ、「のびのび」したところを、もっと見習おう。