2005.07.20
メタデータ、ベタデータ、ネタデータ
Passion For The Future : ライトウエイト・メタデータの応用事例とその可能性@人工知能学会 研究会
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003614.html

橋本大也さんによる、人工知能学会での発表資料。
RSSが大きな注目を集める中、タイムリーで充実した内容。

「メタデータ」にひっかけた、「ベタデータ」「ネタデータ」というラベリングが特に秀逸だと思う。

「ベタデータ」とは、本来メタデータであるべきRSSなどが、実データを埋め込んだ配信フォーマットとして使われている状態を指す。

「ネタデータ」とは、もともとのオリジナル情報(例えば本)に対して、みんながレビューなどで付加した情報を指す。

「メタデータのメタ性再考」や、「トラスト(信頼)」の問題(スパムなどを防ぐ)など、重要なトピックをたくさん含んでおり、このあたりに興味ある人は必読。

この資料を読んで、いまのRSSに対する注目、なんでもあり的な面白さ、そして混迷状態は、かつてのHTMLと似ているかもしれない、と思った。

HTMLも、当初は表示情報でなく文書構造をあらわすものとされていたが、透明GIFやテーブルのネストなど、だんだん表示情報のほうにシフトしていった(最近はまたCSSの発達により、本来的な役割に落ち着きつつあるけど)。

RSSも、これだけ注目されてしまえば、その「本来の役割」からどんどん逸脱することは避けられないだろう。マーケットが活性化することで、ツールやサービスも出てくるので、むしろ望ましい面もあるが、どこかで調整が必要になりそうだ。