2005.08.31
Win-Lose関係は成立しない
仮題 nikki - 音楽データの価値
http://d.hatena.ne.jp/gobaku/20050830/1125402011

<前に自分のエントリ仮題 nikki - there is no WIN-LOSEで引用したが、交渉毎に於いては、Win-Loseの関係とは成り立たない。どちらかがLoseとなる場合には必ずその場所でWinと思っている立場の人も最終的には不利益を被ることとなる>。

ここにある「there is no WIN-LOSE」というのは、以下のエントリ。

仮題 nikki - クリティカルチェーン
http://d.hatena.ne.jp/gobaku/20050825/1124922907

<「前略・・・ 制約条件の理論では、そんなことはあり得ない。Win-Loseのシチュエーションなど存在しないんだよ」
この話しを読んだときは、単純にシチュエーションとして有るのはWin-WInかLose-Loseの関係しか存在せず、小さな場面ではWin-Loseの関係になったとしても大きく考えるとLose-Loseの関係にしかならないのだなあと思った物である>。

ゴールドラット、こんなにいいこと書いてたとは。

一時すごい話題だった『ザ・ゴール』、物語で教訓を語るという形式が個人的にあまり好きじゃなくて、軽く立ち読みしただけで通り過ぎてしまったんだけど、こんなにいいこと書いているなら、読まないと。

よく「Win-Win」っていわれるけど、その前提には、たいていの勝負は「Win-Lose」関係だということがある。しかしその「Win-Lose」関係は成立しないというんだから、面白い。

よく考えれば、その通りだと思う。Loseと思った人は、以後そこに関与しないだろうから、その関係・構造は長続きしない。

客をだますような商売は、一時的には儲かるかもしれないが、その客は二度と来ないので、先が続かない。客によろこばれるような商売のほうが、一回の儲けは少ないかもしれないが、何度も来てくれるので、そのほうが儲かる。

けっきょく、持続する関係・構造はつねに「Win-Win」しかありえないことになる。

これはビジネスだけでなく、かなり普遍的な真理なのではないか。よく環境問題などで言われる「サステイナブル(sustainable、持続可能な)」というのも、これだと思う。

目先の利益で地球環境に悪いことをやっていれば、人類の崩壊につながる。環境や生態系を維持しながら、「地球と一体になって」やっていく方法でなければ、長くは続かない。

ビジネスでも環境でも、「Win-Win」関係、つまり「共生」の関係しか生き残れないのだ。