2005.09.26
スパムブログという迷惑装置
最近、何かの単語を検索して上位にあるサイトに行ってみると、スパムブログであることが多くなってきた。

スパムブログとは、ソフトウェアが自動生成・自動更新しているブログだ。検索にかかるようにキーワードを散りばめて、広告リンクをクリックさせる目的で設置されている。スパムメール、トラックバックスパム、コメントスパムなど、一連のスパムのブログ版、いわば「スパムの最新型」だ。

見に行ったサイトがスパムブログだったとき腹が立つのは、なぜだろう。ブログは人間が書くべきなのに、機械的に自動生成されているので、馬鹿にされたように感じるからだろうか。

もし機械による自動生成が腹立たしいなら、Googleのページだって機械で自動生成されている。Googleはすべて自動化されているにもかかわらず、それを見ても腹立たしくないどころか、世界じゅうの人の役に立っている。

自動化とか機械化それ自体は、「技術」に過ぎない。技術は、いいようにも悪いようにも使える「諸刃の剣」である。

スパムブログが腹立たしいのは、自動化されているからでなく、価値や利便性を何も生み出していないからだ。価値を何も提供していないのに、自動生成したページに山ほど広告リンクをばらまいて、クリックさせて小銭を稼ごうとしている。

見に来た人の時間を奪い、不快にしてまでも、自己利益につなげようという、これこそ「Win-Lose」型のビジネスだ。

それだけでなく、インターネットの資源も浪費している。こういうものがさらに蔓延すれば、路上駐車だらけの道路のように、そのうち誰も通れなくなるかもしれない(実際、スパムメールによって、メールはそのようなものになりつつある)。

こういうものに手を出す人は、他人や世間に迷惑をかけても、とにかく自分のお金さえ増えればどんな方法を使ってもいい、と考えているような気がする。

どうせ金儲けの装置を作るなら、時間泥棒のようなセコい「迷惑装置」でなく、Win-Winな価値を生み出し、何度でも使いたくなるような「便利装置」を作ればいいのに、と思う。

儲けることが目的だとしても、ちゃんと価値の創出を通じてお金を得たほうが、結局は儲かるはずだ。