2005.10.04
順張り、逆張り
株などの投資の世界で使われる、「順張り(じゅんばり)」、「逆張り(ぎゃくばり)」という言葉があります。
東証の用語解説を見ると、

順張り(じゅんばり)
<市場相場が上昇傾向にあるときに買付けを行い、下落傾向にあるときに売付けを行うことを言います>。
逆張り(ぎゃくばり)
<市場相場が下落傾向にあるときに買い付けを行い、上昇傾向にあるときに売り付けを行うことを言います>。

とあります。

投資の世界では、日常にも適用できそうな面白い概念をよく見かけますが、この「順張り」「逆張り」は、特に私が好きなもののひとつです。

需要と供給をマッチングする「市場」というものは、「みんなの動き」みたいなものなので、これを日常におきかえれば、

順張り - みんなと同じ方向に行く
逆張り - みんなと違う方向に行く

という感じになるでしょう。

人間誰しも、社会という網の目のなかで生きていますから、まったく孤立して生きていくわけにはいかない。その意味では、みんなと同じことをする「順張り」が必要です。

でも、いつも人のあとをついていくばかりでは、何か価値あるものを生み出すことはむずかしい。人が見ていないようなところに着目したり、遊びの誘いを断って、孤独に何かを生み出すことも必要です。

私が投資について少し勉強してわかったのは、この世の中で生きていくことは、驚くほど投資に似ているということでした。

自分が持つ有限の時間やお金を何に配分するかは、まさに「ポートフォリオ」です。何に対して時間やお金を出すかを決めることは、まさに「投資」でしょう。

その投資、時間やお金をどう使うのかを考えるとき、みんなと同じようにやるのか、みんなと違うようにやるのか。それが、「順張り」「逆張り」だと思うのです。