2005.10.03
Web 2.0は 「ニューウェイヴ」 なのだ
Web 2.0について、実にいろいろな人が語っている。

マーケティングの首領(グル)、セス・ゴーディンも語っている。中国でも、中国語で語っている。お騒がせ集団37 signalsは、「Web 2.0でないもの」について語っている。本家O'ReillyのWeb 2.0カンファレンスにぶつける格好で、Web 1.0サミットというのも開かれるらしい(ネタ元:yomoyomoさん)。とにかく、あちこち語られているRead/WriteWebProgrammableWebTechCrunchのような専門サイトともなれば、毎日Web 2.0ばかり語っているわけだ。

このように止まらないWeb 2.0の拡散現象に対し、本家ティム・オライリーが、「Web 2.0とは何か」を書き上げた。これこそ「教典」となるべき画期的な重要文献であることは間違いないが、「Webの新しい動向を全部まとめました」という超・包括的な感じがしないでもない。これに比べると、Web APIを中心に捉えていた私のイメージは、かなり狭かったようだ。

ティム・オライリー自身、Web 2.0に厳密な境界はなく、「引力の中心 (gravitational core)」だという言い方をしている(「1. The Web As Platform」冒頭)。まさにバズ(Buzz)ワード、最新流行であり、次から次へと人が飛び乗ってくるバス、バンドワゴンなのかもしれない。

こう考えると、Web 2.0は音楽における「ニューウェイヴ」みたいなものかもしれない。1970年代末~80年代初頭、パンク以降にあらわれた新しい音楽動向は「ニューウェイヴ」と呼ばれ、そこには実にいろいろなスタイルの音楽が含まれていた(例えば、ザ・スミス辺りまでの初期ラフトレードの雑多さ)。あたらしい感じであれば、なんでもニューウェイヴになれたのだ。

「Web 2.0」とは、ニューウェイヴと同じように、新しい動向をなんでも放り込んでおくためのコンセプトだ。
そう考えると、個人的にはようやくスッキリした感じだ。
それならば、定義に悩むなんてバカらしい。調子に乗って、みんなでどんどん語って楽しもう。