2006.01.17
ITが建築から学べるものは多い
arclamp.jp アークランプ: ITアーキテクトってなんだ?
http://www.arclamp.jp/blog/archives/000765.html

<僕が考えたアーキテクトの仕事とは「提案したシステムがいかなるもので、どのような形であるべきかをクライアントとプログラマに示す」ことであり、それに必要な言葉を定義することが最初の作業となるわけです。
 特にコールハースの「定義された言葉こそがデザインを可能にしている」という言葉は深いです。
 結局、クライアントにしてみれば「なにができる」「どんな感じ」といったイメージでしか語ることができません。そうしたものを<言葉>として定義していくことがアーキテクトの役割なのかもしれません>。

これはすばらしい一節。
「定義された言葉こそがデザインを可能にしている」って、いいフレーズだなあ。

最近のyusukeさんは建築を引き合いに出してITを語ることが多い(コールハースの名前が出てくるIT系ブログって、なかなかないと思う)。今回の「ITアーキテクト」も、yusukeさんは文字通り「建築家Architect)」のような役割として考えているはずだ。

求められるスキル、役割分担、プロジェクトの進め方などさまざまな点で、ITは建築に学べるところが多いと私も思う。ITで広まっている「パターン・ランゲージ」なども、よく知られている通り、もともと建築家のクリストファー・アレグザンダーが考え出したものだ。

ITと建築は、もっと相互に「概念の交流」や「人脈の交流」があっても良さそうだ。
特に、建築は長い歴史を持つので、ITが建築から学べるものは多いだろう。

P.S.
そういえば、アレグザンダーの名前を書いていて気づいたのだが、アレグザンダーがパターン・ランゲージを初めて打ち出した『時を超えた建設の道(THE TIMELESS WAY OF BUILDING)』(原著1979、日本語訳1993)では、イメージ写真が多用されている。これは、コールハースの「イメージ・ブック」的な本の作り方とどこか似ている。そして同時に、それは単なるイメージではなく、パターン・ランゲージという「定義された言葉」に結びついているのだ。ここでアレグザンダーとコールハースが重なるとは、初めて気がついた。

関連エントリ :
ユーザインターフェイスのパターンランゲージ
http://mojix.org/2005/08/27/214354
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