Faviki - セマンティックなソーシャルブックマーク
Faviki
http://faviki.com/
Faviki(読みは「ファビキ」でいいのかな?)は、セマンティックなタグづけが可能なソーシャルブックマークだ。
これはかなり有望なサービスだと思う。
今朝、ReadWriteWebの「Semantic Tagging with Faviki」という記事を読んでこのサービスを知り、さっそく登録してみた。
Favikiのmojixページ
http://faviki.com/?s=333
Favikiは基本的にはソーシャルブックマークであり、はてなブックマークやdel.icio.usなどと似ている。しかし大きく異なるのは、タグがWikipediaの項目名と連動しており、「セマンティック」になっている点だ。
Favikiで使えるタグは、「Wikipediaで項目名になっているものだけ」だ。「あとで読む」とか「これはひどい」といった自由なタグはつけられないわけだ。
そのかわり、Wikipediaから抜き出したDBpediaという構造化データ(オントロジー)をベースとして、タグ間の意味関係を用いた「セマンティック」なサービスが実現している。これはかなり画期的なことだ。
セマンティックなサービスは、基本的な技術や理屈の上ではそれほどむずかしくないが、
(1) 統制語彙(自由語句を許さない)
(2) オントロジー(単語の意味関係を保持するデータベース)
の2つが必要になるので、これをどう現実のサービスに落とし込み、使いやすいものにするかという実現方法が大きな課題になる。
そこをこのFavikiは、Wikipediaからオントロジーを抜き出すというDBpediaプロジェクトの成果をそのまま使うことで、この課題を比較的シンプルに解決したようだ。
Favikiの「セマンティック」なタグを、実際の例で見てみよう。例えば以下のページは、東大の福武ホールを紹介したケンプラッツの記事を、私がブックマークしたものだ。
安藤忠雄 東京大学 情報学環・福武ホール|ケンプラッツ
http://faviki.com/?u=2362
緑の三角を押すと開閉し、開くとコメントやタグが見える(一覧表示では「open all」で全部開くと便利)。
このブックマークでは、私は「Architecture」「Tadao Ando」「University of Tokyo」の3つのタグをつけた。まずこのタグ自体が、タグ名を自由につけることはできず、Wikipediaの項目名として登録済のものから選ばせる仕組みになっている。
このうち「Tadao Ando」をクリックすると、タグ「Tadao Ando」のページに行く。
Tadao Ando
http://faviki.com/?o=2052572
ここで、右側に出ているのがDBpediaのデータ(Wikipedia由来)から抜き出した情報だ。
ここには、「People from Osaka Prefecture」「Japanese architects」といった項目名が出ている。これは、「Tadao Ando(安藤忠雄)」は「People from Osaka Prefecture(大阪出身の人物)」であり、「Japanese architects(日本の建築家)」であるという情報が、オントロジーに入っている証拠だ。
ここで「Japanese architects」をクリックすると、このトピックのページに行く。
Japanese architects (topic)
http://faviki.com/?to=2901
ここには、先の「安藤忠雄 東京大学 情報学環・福武ホール|ケンプラッツ」に加えて、「New Museum :: NewMuseum.org」というブックマークがある。
New Museum :: NewMuseum.org
http://faviki.com/?u=2363
これも私が登録したもので、これには「Kazuyo Sejima」というタグをつけてあったのだ。「Kazuyo Sejima(妹島和世)」も「Japanese architects(日本の建築家)」なので、「Japanese architects」に出てきているというわけだ。
なお、「Tadao Ando」や「Kazuyo Sejima」はWikipediaでは項目そのものであるのに対し、「Japanese architects」はそれをグルーピングするカテゴリ「Category:Japanese_architects」なので、正確にいえば、Favikiではこれは項目ではなく「topic」という扱いになっているようだ。
以上、ひとまず「セマンティックなタグ」の部分を中心に紹介してみたが、Favikiはデザインや使い勝手といった点でもかなりハイレベルだ。
例えばユーザページの右側にある、タグが並んでいるボックスも気が利いている。
ここにはブックマークしたサイトのアイコン(favicon)も並んでいて、これが実はドメインによるフィルタ(絞り込み)になっているのだ。
mojix: www.youtube.com
http://faviki.com/?s=333&d=12
Favikiは現在ベータ版のようだが、すでに十分すぎるほど完成度が高い。唯一残念なのは、日本語のタグがつけられないらしい点だ(これは私がやり方をわからないだけかもしれない)。
これでもし、各国語のタグもスムーズに行くようになれば、これはWikipediaと並んで、世界を制覇するソーシャルブックマークになってもおかしくないと思う。
Faviki Blog - We need a tag evolution
http://faviki.wordpress.com/2008/05/08/9/
Favikiには開発者ブログもあり、この「We need a tag evolution(タグの進化が必要だ)」というエントリでは、キーワードサーチ(現在のいわゆる「検索」)はこれから衰退し、タグの重要性が増していくというNova Spivackの見方を紹介している。
ここでの「タグ」は、現状の自由語句ベースのタグに限らず、セマンティックなタグも含めた「未来のタグ」を意味しているようだ。
Favikiを使っていると、たしかに「未来のタグ」の可能性が見えてくるような気がする。
関連エントリ:
なぜネットではディレクトリが敗れ、サーチとタグが勝利するのか
http://mojix.org/2005/12/18/102729
http://faviki.com/
Faviki(読みは「ファビキ」でいいのかな?)は、セマンティックなタグづけが可能なソーシャルブックマークだ。
これはかなり有望なサービスだと思う。
今朝、ReadWriteWebの「Semantic Tagging with Faviki」という記事を読んでこのサービスを知り、さっそく登録してみた。
Favikiのmojixページ
http://faviki.com/?s=333
Favikiは基本的にはソーシャルブックマークであり、はてなブックマークやdel.icio.usなどと似ている。しかし大きく異なるのは、タグがWikipediaの項目名と連動しており、「セマンティック」になっている点だ。
Favikiで使えるタグは、「Wikipediaで項目名になっているものだけ」だ。「あとで読む」とか「これはひどい」といった自由なタグはつけられないわけだ。
そのかわり、Wikipediaから抜き出したDBpediaという構造化データ(オントロジー)をベースとして、タグ間の意味関係を用いた「セマンティック」なサービスが実現している。これはかなり画期的なことだ。
セマンティックなサービスは、基本的な技術や理屈の上ではそれほどむずかしくないが、
(1) 統制語彙(自由語句を許さない)
(2) オントロジー(単語の意味関係を保持するデータベース)
の2つが必要になるので、これをどう現実のサービスに落とし込み、使いやすいものにするかという実現方法が大きな課題になる。
そこをこのFavikiは、Wikipediaからオントロジーを抜き出すというDBpediaプロジェクトの成果をそのまま使うことで、この課題を比較的シンプルに解決したようだ。
Favikiの「セマンティック」なタグを、実際の例で見てみよう。例えば以下のページは、東大の福武ホールを紹介したケンプラッツの記事を、私がブックマークしたものだ。
安藤忠雄 東京大学 情報学環・福武ホール|ケンプラッツ
http://faviki.com/?u=2362
緑の三角を押すと開閉し、開くとコメントやタグが見える(一覧表示では「open all」で全部開くと便利)。
このブックマークでは、私は「Architecture」「Tadao Ando」「University of Tokyo」の3つのタグをつけた。まずこのタグ自体が、タグ名を自由につけることはできず、Wikipediaの項目名として登録済のものから選ばせる仕組みになっている。
このうち「Tadao Ando」をクリックすると、タグ「Tadao Ando」のページに行く。
Tadao Ando
http://faviki.com/?o=2052572
ここで、右側に出ているのがDBpediaのデータ(Wikipedia由来)から抜き出した情報だ。
ここには、「People from Osaka Prefecture」「Japanese architects」といった項目名が出ている。これは、「Tadao Ando(安藤忠雄)」は「People from Osaka Prefecture(大阪出身の人物)」であり、「Japanese architects(日本の建築家)」であるという情報が、オントロジーに入っている証拠だ。
ここで「Japanese architects」をクリックすると、このトピックのページに行く。
Japanese architects (topic)
http://faviki.com/?to=2901
ここには、先の「安藤忠雄 東京大学 情報学環・福武ホール|ケンプラッツ」に加えて、「New Museum :: NewMuseum.org」というブックマークがある。
New Museum :: NewMuseum.org
http://faviki.com/?u=2363
これも私が登録したもので、これには「Kazuyo Sejima」というタグをつけてあったのだ。「Kazuyo Sejima(妹島和世)」も「Japanese architects(日本の建築家)」なので、「Japanese architects」に出てきているというわけだ。
なお、「Tadao Ando」や「Kazuyo Sejima」はWikipediaでは項目そのものであるのに対し、「Japanese architects」はそれをグルーピングするカテゴリ「Category:Japanese_architects」なので、正確にいえば、Favikiではこれは項目ではなく「topic」という扱いになっているようだ。
以上、ひとまず「セマンティックなタグ」の部分を中心に紹介してみたが、Favikiはデザインや使い勝手といった点でもかなりハイレベルだ。
例えばユーザページの右側にある、タグが並んでいるボックスも気が利いている。
ここにはブックマークしたサイトのアイコン(favicon)も並んでいて、これが実はドメインによるフィルタ(絞り込み)になっているのだ。
mojix: www.youtube.com
http://faviki.com/?s=333&d=12
Favikiは現在ベータ版のようだが、すでに十分すぎるほど完成度が高い。唯一残念なのは、日本語のタグがつけられないらしい点だ(これは私がやり方をわからないだけかもしれない)。
これでもし、各国語のタグもスムーズに行くようになれば、これはWikipediaと並んで、世界を制覇するソーシャルブックマークになってもおかしくないと思う。
Faviki Blog - We need a tag evolution
http://faviki.wordpress.com/2008/05/08/9/
Favikiには開発者ブログもあり、この「We need a tag evolution(タグの進化が必要だ)」というエントリでは、キーワードサーチ(現在のいわゆる「検索」)はこれから衰退し、タグの重要性が増していくというNova Spivackの見方を紹介している。
ここでの「タグ」は、現状の自由語句ベースのタグに限らず、セマンティックなタグも含めた「未来のタグ」を意味しているようだ。
Favikiを使っていると、たしかに「未来のタグ」の可能性が見えてくるような気がする。
関連エントリ:
なぜネットではディレクトリが敗れ、サーチとタグが勝利するのか
http://mojix.org/2005/12/18/102729