昭文社 - 東京地下鉄便利ガイド
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先日、この『東京地下鉄便利ガイド』（昭文社）を買った。これが思った以上に便利で、気に入っている。

この本の存在は以前から知っていたのだが、これまで買おうと思ったことはなかった。路線図なら東京の地図などにも載っているし、地下鉄の駅でどの出口から出たらいいかなんて、その駅にある案内図を見れば十分だと思っていた。

しかし、先日あらためて本屋でパラパラ眺めてみて、「これはじっさい便利なだけでなく、見ているだけでも面白い」というふうに感じた。そんなふうに感じたのは、私がだんだん鉄道ファンに傾いているからだろう。いまの私にとって、この本はほとんどどこを開いても面白いのだ。

東京地下鉄の全路線、すべての駅の見やすい周辺地図、ほぼ全駅について出口近辺の写真、主要な駅の構造、どの車両に乗っていれば出口に近いかなど、全422ページのフルカラーで、始めから終わりまで、便利かつずっと見ていても飽きないようなページで埋め尽くされている。新書大のわりとしっかりした造本で、1200円。これは「安い」と思う。

これを買ってから、電車に乗るときはいつも持ち歩くようになった。実際に「使う」だけでなく、これを「読む」のがおもしろい。電車の中でこれを読んでいると、ほとんど時を忘れるほどだ。

買ってから気がついたページに、巻末の「首都圏鉄道路線図」というのがある。地下鉄だけでなくＪＲや私鉄まで含んだ、首都圏のかなり広い範囲を網羅した路線図だ。私が子供の頃、駅などに貼ってあった大きい路線図が、ちょうどこういうやつだったような気がするが、それがこんなにも小さい、新書の大きさの本の見開きに入っているというのは驚きだ。この路線図は、この本でいちばん気に入っているページかもしれない。

これをパラパラ見ていると、電車に乗って、東京のすべての駅に散歩に行きたくなる。