2008.12.20
「麻生叩き」は何も解決しない
asahi.com - 「就職は目的意識ないと」 首相、ハローワークで若者に
http://www.asahi.com/politics/update/1219/TKY200812190363.html



<麻生首相は19日、東京・渋谷の「ハローワーク渋谷」を視察し、求職に訪れた24歳の男性に「何がやりたいか目的意識をはっきり出すようにしないと、就職というのは難しい」と声をかけた。男性は派遣社員として働いていた自動車工場の契約が打ち切られ、職探しに東京に来たという>。

<首相は就職活動の心構えを伝えたかったようだが、民主党の鳩山由紀夫幹事長はこの発言について記者会見で「誠に的はずれだ」と批判。「なかなか自分の思い通りの仕事が見つからない状況だからこそハローワークで探そうとしている。『しっかりやれよ』と言葉をかければ、彼らもやる気が出る」とたしなめた>。

マスコミでは連日のように「麻生叩き」を見かけるが、こんなことをしても何も解決しない。

バーの飲み代が高いとかいう話から始まって、政権支持率が下がってきたと見るや、もう麻生首相が口を開けば揚げ足取り、という感じだ。

私は別に麻生首相や自民党の味方ではないが、叩いてばかりのマスコミ、いつも批判・反対ばかりの民主党にはウンザリさせられる。

マスコミは、麻生叩きをしていれば読者が喜ぶと思っているのなら、大間違いだ。民主党も、くだらない揚げ足取りをすればするほど、信頼を失っていることに気づくべきだ。

政党もマスコミも、現状の何が問題なのか、それをどうやれば解決できるのかの政策論を基本に据えてほしい。特に、経済や雇用といった切迫したテーマを徹底的に議論すべきだろう。問題を生じさせている「基本構造」をあぶり出し、国民全体が認識できるようにすべきだ。そのうえで、政党はあくまでも政策ベースで戦い、国民も政策ベースで投票すればいい。

いま生じている問題は、激変する世界の状況に、日本の「古い方法」がもう通用しなくなっているのが原因だ。単に景気循環だけの問題ではないし、ましてや麻生叩きで解決するはずがない。