2008.12.25
コンウェイの「ライフゲーム(Game of Life)」
「ライフゲーム」を知っているだろうか?

いわゆる「ゲーム」ではなくて、ただ模様みたいなものが動くのを眺めるという、それだけのものだ。しかし、その美しさと、それが意味している哲学的・物理的な深遠さによって、これまでたくさんの人を夢中にさせてきた。

ウィキペディア - ライフゲーム
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9..

<ライフゲーム(Conway's Game of Life)は1970年にイギリスの数学者ジョン・ホートン・コンウェイ (John Horton Conway) によって考案された生命の誕生、進化、淘汰などのプロセスを簡易的なモデルで再現したシミュレーションゲームである。単純なルールでその模様の変化を楽しめるため、パズルの要素を持っている>。

<生物集団においては、過疎でも過密でも個体の生存に適さないという個体群生態学的な側面を背景に持つ。セル・オートマトンのもっともよく知られた例でもある>。

ライフゲームがどんなものなのか、まずはこの動画を見てもらうのが早い。

YouTube - ライフゲーム 入門 (The entrance of Conway's Game of Life)
http://jp.youtube.com/watch?v=ZOkm867AleM



ライフゲームは、方眼紙のようなマス目の世界のうえで、いろいろなパターンが動いていくというものだ。ここに出てくる「ブリンカー」や「蜂の巣」、「グライダー」といったものは、そのパターンにつけられた名前で、いわばライフゲームの「登場人物」だ(「ライフゲームの物体一覧」)。

ライフゲームでは、こうしたパターンが動いたり、点滅したり、たまにぶつかって相互作用し、消滅したり、変形したりする。「ライフゲーム」というその名前の通り、ちょっと自然界のような感じだ。面白いのは、こうした動きのすべてが、セル(マス目)に関するごく単純なルールだけから出てくるということだ。

このライフゲームによって、自己複製するパターンや、コンピュータのようなもの(チューリングマシン)も構成できることがわかっている。ということは、もしこれを精緻化していって、物理現象や生物などもシミュレーションできるならば、これこそ宇宙の「構成原理」ではないか?という気がしてくる。

ライフゲームで各セルが従うルールは、<過疎状態でも過密状態でも生き残ることはできない>というものだ。これはまさに、生物が生き残るためのルールでもあり、その符合は不思議な感じがする。

もしこの世界が3次元状にセルが配置されたライフゲームなのであれば、わたしたちはその上の「模様」にすぎない。


関連:
conway's life demo
http://jp.youtube.com/watch?v=s92EW7jVeq0
John Conway Talks About the Game of Life Part 1
http://jp.youtube.com/watch?v=FdMzngWchDk

関連エントリ:
中嶋謙互の 「ワールド・シンセサイザー」 構想
http://mojix.org/2005/08/31/092511