2009.04.05
「われわれの美徳は、ほとんどの場合、偽装した悪徳に過ぎない」(ラ・ロシュフコー)
「われわれの美徳は、ほとんどの場合、偽装した悪徳に過ぎない」(ラ・ロシュフコー

ラ・ロシュフコー(La Rochefoucauld)は17世紀フランスの貴族で、モラリスト文学の最高峰といわれる箴言(しんげん)の名手。

岩波文庫の『ラ・ロシュフコー箴言集』(二宮フサ訳)には、この手の面白い箴言がたくさん収められている。

以下、私が好きなものをいくつか抜粋。

<われわれは皆、他人の不幸には充分耐えられるだけの強さを持っている>。

<われわれはあくまで理性に従うほどの力は持っていない>。

<人は決して自分が思うほど幸福でも不幸でもない>。

<人間の幸不幸は、運命に左右されると共に、それに劣らずその人の気質に左右される>。

<真実は、見せかけの真実が流す害に見合うだけの益を、世の中にもたらさない>。

<世間の付き合いでは、われわれは長所よりも短所によって人の気に入られることが多い>。

<他人に対して賢明であることは、自分自身に対して賢明であるよりもたやすい>。

<偉大な素質を持つだけでは充分でない。それを活かす術が必要である>。

<最高の才覚は、事物の価値をよく知るところにある>。

<弱い人間は率直になれない>。

<大部分の人間は植物と同じように各々隠れた特性を持っており、偶然がそれを発見させる>。

<自分の利益を諦めるほうが、自分の趣味を諦めるよりもむしろ易しい>。

<運と気質が世を支配する>。

<偉大な才能を作る下らない素質がある>。


関連:
ウェブ石碑 - ラ・ロシュフコー フランスの箴言作家
http://sekihi.net/writer/1327/
Wikiquote - François de La Rochefoucauld
http://en.wikiquote.org/wiki/Fran%C3%A7ois_de_La_Rochefoucauld