brute fact(根源的事実)とinstitutional fact(制度的事実)
Wikipedia - Brute facts

<Brute facts are opposed to institutional facts, in that the former do not require the context of an institution to occur. The term was coined by G. E. M. Anscombe and then popularized by John Searle.>

(大意: 「brute fact(根源的事実、ナマの事実)」とは、「institutional fact(制度的事実)」と反対のもの。それが事実であることが成立するために、制度の文脈を必要としないような事実をいう。この語はG・E・M・アンスコムによって作られ、ジョン・サールによって広められた)

<For instance, the fact that a certain piece of paper is money cannot be ascertained outside the institution of money in a given society. And that piece of paper will only be money as long as the members of that society believe that it is so. Being money is an institutional fact. On the contrary, being a piece of paper is a brute fact.>

(大意: 例えば、ある紙片がお金だという事実は、ある社会におけるお金の制度の外側では認められない。そして、その紙片がお金であることができるのは、その社会の成員がそれをお金だと信じている限りにおいてである。つまり、「お金であること」はinstitutional fact(制度的事実)である。その反対に、「紙片であること」はbrute fact(根源的事実、ナマの事実)である)

この区別はおもしろい。「brute fact」という言い回しはこれまでも聞いたことがあったが、「institutional fact」の対概念・反意語であるとは知らなかった。

「制度(institution)」とは、人間が作ったルール、いわば「約束事」だ。その約束事を土台として、その上に成立している事実が「institutional fact」で、その約束事がなくても成立している事実が「brute fact」だ。