2009.05.23
「強制」はすべてをダメにする
城繁幸氏が、外資と日本企業の対比について書いている。

Joe's Labo - 外資系企業で成功する人、失敗する人
http://blog.goo.ne.jp/jyoshige/e/0e38ce01de296074a32b211ec0a3fe38

<アメリカ人に
「やあケンジ、君の仕事が無くなってしまったよ。まあ次の会社でも頑張れよ」
と言われるのと、上司から
「自己都合で辞めてくれ。断ると山口支店に行って貰うよ」
と言われるのと、どっちがドロドロだろうか?>

この対比は面白い。そして、ここが核心なのだ。

会社側が「クビにしたい」と思っているときに、そこで無理に雇用を維持しても、互いに何もいいことはない。ここでスッパリ関係を切れないから、陰湿な「いじめ」みたいなことが起きる。

そして社員の側は、それが「いじめ」だとわかっていても、他に転職するアテがなければ、それに耐えるしかない。

解雇規制がなくなり、会社側からクビにできるようになれば、そんな「いじめ」も無用になる。会社は気軽に採用できるようになるから、雇用流動性も上がって、社員の側も転職しやすくなる。

人間は自由にふるまえないとき、不満がたまってきて、いっしょにいる相手を恨んだり、信用しなくなる。こういう状態で関係を続けていれば、考え方がねじ曲がったり、心の病気になったりする。これでは生産性も上がらないし、何よりも人生を台無しにしてしまう。

解雇規制によって「関係を強制している」ことが、悲劇の始まりなのだ。「強制」はすべてをダメにする。


関連エントリ:
なぜ日本の成果主義は失敗するのか 「責任がなく、権限もない」個人という日本の縮図
http://mojix.org/2009/05/12/japan_seikashugi
タッド・バッジ 「終身雇用は、企業を、従業員をダメにしていく」
http://mojix.org/2008/11/29/you_can_do_it