2011.02.09
「うだつが上がらない」の「うだつ」とは何か
ウィキペディア - うだつ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%86..

<うだつは、日本家屋の屋根に取り付けられる小柱、防火壁、装飾。本来は梲と書き、室町以降は卯建・宇立などの字が当てられた>。

<平安時代は「うだち」といったが、室町時代以降「うだつ」と訛った。本来は梁(うつばり)の上に立てる小さい柱のことをいった。そののち、切妻屋根の隣家との間についた小さい防火壁で1階屋根と2階屋根の間に張り出すように設けられているものも「うだつ」と呼ぶようになる。本来、町屋が隣り合い連続して建てられている場合に隣家からの火事が燃え移るのを防ぐための防火壁として造られたものだが、江戸時代中期頃になると装飾的な意味に重きが置かれるようになる。自己の財力を誇示する為の手段として、上方を中心に商家の屋根上には競って立派なうだつが上げられた>。

「うだつ」とは、日本家屋の屋根に取り付けられる防火壁なのだそうだ。それが江戸時代に装飾的な意味に転化したとのこと。


この屋根の上に乗っているやつが「うだつ」

<うだつを上げるためにはそれなりの出費が必要だったことから、これが上がっている家は比較的裕福な家に限られていた。これが「生活や地位が向上しない」「状態が今ひとつ良くない」「見栄えがしない」という意味の慣用句「うだつが上がらない」の語源のひとつと考えられている>。

なるほど、そういう由来だったとは。

徳島県美馬市には、この「うだつ」を持つ日本家屋が並ぶ「うだつの町並み」があるとのこと。

ウィキペディア - 脇町南町
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%87..

<脇町南町(わきまちみなみまち)は徳島県美馬市(旧・脇町)にある重要伝統的建造物群保存地区の名称である。うだつの町並みと呼ばれることもある>。



美馬市 - うだつの町並み
http://www.city.mima.lg.jp/4/64/000251.html

<脇町の「うだつの町並み」の特徴は、
[1]東西に通じるメインの道路の長さは約430m、指定地区の面積は5.3ha、伝統的建造物は88棟、環境物件(石垣や井戸等)65件、修景物件(母屋、塀等)94件です。
[2]通りに面した母屋のうち、伝統的な町屋は50戸あり、そのうち22戸が間口四間半(9m)以上の規模となっています。敷地の奥行きは間口に比べて深く、80m以上のところもあります。
[3]建物の特徴は、屋根は本かわらぶきであり、2階の窓は防火に重点をおいた「虫籠窓」となっています。2階の屋根の両端にしっくい塗りの「うだつ」があります。
[4]建物で最古のものは、1707(宝永4)年の棟札は確認されています。保存計画では、昭和のものまで含めて母屋の7割となっています>。





ここにある「うだつの町並み周辺図」を見ると、メインである<国選定うだつのある町並み>のほか、<道の駅「藍ランドうだつ」>や、<「うだつ」の上がった校舎の脇町中学校>などもある。


「うだつ」の上がった校舎の脇町中学校

「うだつが上がらない」のではなく、「うだつ」が上がっているのだ。何かカッコいい。